1種(社会人)
JFLセカンドステージ第12節 ヴァンラーレ八戸vsラインメール青森
2017年10月22日
10月22日(日)、JFLセカンドステージ第12節 ヴァンラーレ八戸対ラインメール青森の試合がヴァンラーレのホームとなるダイハツスタジアムで行われた。
天皇杯県予選の決勝、ファーストステージに続き、今季3度目の“青森ダービー”となった。
試合開始からボールホルダーに対する素早い寄せと球際での激しいボールの奪い合いを見せる両チーム。中盤でセカンドボールを拾ったチームが攻撃を仕掛ける展開となる。
前半2分、ヴァンラーレ八戸はFW⑪村上聖弥が前線でボールを奪うとドリブルで持ち込み、ゴール前にクロスを送るが、これは相手ディフェンスにクリアされる。
その後も⑪村上、ワントップの㊴竹中公基を起点に攻撃を組み立てるヴァンラーレだが、最後のシュートまで持っていくことができない。
対するラインメールは前半27分、相手陣地深くでパスカットしたFW㉕横野純貴がシュートまで持ち込むと、直後の28分には右サイドMF⑩奥山泰裕のクロスにゴール前FW⑱中村太一が頭で合わせるがこれはGKに阻まれる。
徐々にボールを保持する時間を増やすラインメールは、31分に間接フリーキックからMF⑩村瀬勇太、37分にはFW㉔秋吉泰佑のシュートからヴァンラーレゴールを脅かすがゴールにはならず、0-0で前半を折り返す。
後半、セカンドボールへの素早い反応を見せるラインメールが主導権を握る。ボール奪取からワントップの㉕横野を起点に㉔秋吉、⑩村瀬を経由し、両サイドの⑩奥山、⑪小幡へ展開。サイド攻撃からヴァンラーレゴールに迫る。
後半8分、左サイドから⑪小幡がドリブルで中に切れ込んでシュートを放つと、14分に右サイド⑩奥山のクロスから最後はMF⑤酒井大登がミドルシュート。18分には右サイドでボールを受けた㉔秋吉が中に切れ込んでシュートを打つがこれはGKがキャッチ。
ヴァンラーレを押し込み、立て続けにチャンスを作ると21分、右サイド⑩奥山が上げたクロスにゴール前で受けた⑱中村がPA内で倒されPKを獲得。これを自ら決め、ラインメールが先制点を奪う。
ヴァンラーレは前線のターゲットを狙ったロングボールから反撃を試みるも、相手ディフェンス陣に跳ね返され、セカンドボールも拾えない苦しい時間が続く。
終盤に差し掛かかりMF㉙金久保彩が積極的にボールを受け、組み立てを図ると、41分に左サイドからのグラウンダーのクロスをゴール前に走り込んだ㉙金久保がフリーで合わせるもこれは相手GKのファインセーブで阻まれる。
終了間際にはセットプレーから同点を狙うも、最後までゴールを奪うことはできずタイムアップ。1-0でラインメールが勝利した。
シュート数、ラインメールの13本に対し2本のヴァンラーレ。このシュート数が表すゲーム内容となった。
勝利したラインメール青森 葛野昌宏監督は「開始からお互い球際の激しさを全面に押し出す中で、どっちが先に長所を出せるか、得意な形に持っていくかが重要なポイントだと思っていました。自分たちとしては、前半はあえて風下を取って、後半が勝負というプランでしたが、後半、攻撃の時間が長かった中でPKから1点を取って、その後も選手たちは体を張って賢くプレーしてくれたと思います」と試合を振り返った。
リーグ戦残す3試合に向けては「自分たちは今季、年間順位4位以内を目標に常に目の前の試合、勝負にこだわってやってきたので、残りは3試合ですけど、1試合1試合。まずは、次節のソニー仙台戦に向けてしっかり準備したいです」と語った。
敗れたヴァンラーレ八戸 柱谷哲二監督は「力の無さ、力不足。2試合続けて同じような負け方をするのは力の無い証拠。自分たちの力不足が出たゲームだったと思います」と試合を振り返った。
続けて「前回もそうですし、“ダービー”という試合で気合い負けしている。我々はメンタルの部分で絶対的に足りない。大事な場面になると萎縮しているのか、トレーニングでやっていることが出せない。でも、そこまで弱いかと言ったらHonda FCに勝ち、FC大阪にも勝っている。なので、肝心なところでパワーを出せないことは自分でも歯がゆく思っています。ここ3試合というのはシーズンもラストで勝負が懸ったところ。そこでダメになっていくのがとても残念で仕方がない」と、ここぞという時のメンタル、チームの勝負弱さを指摘した。
目標であるJ3昇格に向けては「残り3試合、ベストを尽くすだけ。あとは奇跡を信じるだけ。我々が残り3試合を勝たないと、その奇跡も起こらない。最後まであきらめないでやり続けます」と今日の敗戦を受け入れつつ、前を向いた。