2種(高校生)
青森山田高校 プレミアリーグEASTを制覇!【第17節 青森山田高校vs鹿島アントラーズユース】
2019年12月02日
青森山田高校 プレミアリーグEASTを制覇!【第17節 青森山田高校vs鹿島アントラーズユース】
取材/写真:安藤隆人
プレミアリーグEAST第17節。青森山田はアウェイで鹿島アントラーズユースと対戦した。この試合の前日に2位の柏レイソルU-18が浦和レッズユースに敗れたことで、すでに優勝を手にしていた。
「モチベーションをどこに持っていくかがポイントでしたが、鹿島という場所で過去7年間も勝ち点3を取ったことがないので、ちょっとした歴史を変えるではないですけど、先輩たちが達成できなかった『鹿島での勝ち点3』をモチベーションにしました」
黒田剛監督がこう語ったように、2015年から連続して最終節まで優勝争いに絡んできたチームにおいて、『鬼門』鹿島で勝ち点3を積み上げられなかったことが影響し、優勝した2016年以外は、あと一歩のところで優勝を逃してきた。
だからこそ、この一戦は青森山田にとって消化試合ではなく、苦いジンクスを払拭し、かつ優勝に華を添えるための重要な一戦であった。実際に立ち上がりからチームは気合い十分で、好調のMF武田英寿、アンカーの古宿理久、攻守のリンクマン・安斎颯馬が前への圧力を強め、攻撃にリズムを生み出すと、開始早々の2分にDF内田陽介の左からのロングスローをMF浦川流輝亜がヘッドで押し込んで先制に成功をした。その後も浦川の左からのクロスに安斎が飛び込んで2度の決定機を作り出す。
19分にカウンターから同点弾を浴びるが、武田やCB藤原優大が声を出して周りを鼓舞。それに周りも呼応し、集中力を切らすことなく、直後の21分には左サイドバックの神田悠成のクロスに安斎が惜しいヘッドを放つなど、流れを相手に渡さなかった。
そして後半開始早々の49分、GK佐藤史騎のロングキックからFW田中翔太がヘッドで落としたボールを武田が受ける。「翔太がうまくディフェンスと競って潰れてくれたので、いい形でボールに反応できて、ファーストタッチがうまくいった。横にフリーの選手がいたのですが、ゴールが見えたので打つ決断をしました」と、前節の清水ユース戦で2ゴールを挙げた武田が、鮮やかな右足シュートを突き刺して、得点ランキングトップに躍り出る今季12ゴール目をマーク。
77分には内田の右からのロングスローから、藤原がヘッドでつなぎ、最後は神田が押し込んで試合を決定づける3点目。3−1の盤石の試合運びで、敵地・鹿島で8年ぶりの勝利を挙げ、黒田監督の檄に応える形で2度目の優勝に華を添えた。
「この勝利のおかげで次の試合はちょっとチームコントロールをしながら臨めると思います。けが人もなく、退場者もなく終われたことも良かった」
試合後、黒田監督は喜ぶ選手たち全員と握手を交わし、笑顔を見せながらこう語った。残り1節、これまで出場機会のなかった選手たちにもチャンスを与えられ、2週間後のWEST王者である名古屋グランパスU-18戦に向けて、じっくりと調整をすることができる。
「青森に帰れば雪でグラウンドを使えない日々が待っているので、そこでやるべきことは体調管理とコンディション調整。それを怠らずにやりたい。相手は3冠(すでに日本クラブユース選手権、Jユースカップを制している)を狙っているほど、間違いなく強い相手。前回の優勝の時はファイナルに万全の準備をして臨めたことで勝利することができたので、今回も準備力では負けないようにしたい」(黒田監督)。