2種(高校生)
青森山田高校セカンドが無敗で首位独走 <高円宮杯U-18プリンスリーグ東北第8節>
2021年05月18日
今季ここまで5試合を消化し全勝で首位に立つ青森山田高校セカンドは、5月15日(土)、ホームにベガルタ仙台ユースを迎えプリンスリーグ東北第8節を戦った。
ベガルタ仙台ユースは宮城県内での新型コロナウイルス感染拡大の影響から活動が制限され、開幕から1ヶ月以上遅れてこの試合がリーグ初戦となった。立ち上がりから勢いを持って攻め込んでくる相手に対し、青森山田セカンドは押し込まれる時間帯が続いたが、MF⑦小野暉、MF⑩田中栄勢が両サイドから切り崩し、前線のMF㉒櫻井廉、㉕秋元泰喜が果敢にゴール前に侵入。セットプレーでもMF⑥寺田律稀のキックからゴールを狙うも、前半はスコアレスのまま終わった。
62分、均衡を破ったのはベガルタ仙台ユース。今季初めて先制を許し、追いかける展開になったことで青森山田セカンドにも火が付いた。そしてついに試合終盤の88分、ゴールネットを揺らしたのは田中栄勢。「練習でやっている形だったので、あそこにクロスが来るのを信じて入りました」という田中の2試合連続ゴールで同点に追いついた。
試合はこのまま1-1で終了し開幕から6連勝は成らなかったが、青森山田セカンドは執念で勝点1をもぎ取った。
また、この試合ではベガルタ仙台ユースに所属する青森県出身の2選手が先発出場。左サイドバックのDF③野川岳(岡三沢スポーツ少年団→ウインズFC)は73分までプレーし、長身センターバックのDF⑪太田翔瑛(多賀レッドスターSSS→ウインズFC)はフル出場した。
今回は、この試合で後半途中からキャプテンマークを巻いたMF⑬齋藤隆仁、同点ゴールを挙げたMF➉田中栄勢に試合を振り返ってもらった。
「先制された試合は初めてでした。その中で自分たちはしっかりタフに戦い、同点に追いつけたのは良かったと思いますが、もっと点数を取れる場面がありましたし、細かいミスも多かったので、そこを改善しながら練習していかないと今後のプリンスリーグでは勝てないと思います」
厳しい表情でそう試合を振り返った齋藤隆仁。全国大会で優勝したいという一心で、秋田県から青森山田中・高に進学した齋藤は、今季はここまでプリンスリーグ全試合にフル出場。チームにとって替えのきかない存在となっている。
セカンドチームのキャプテンを務めるMF⑦小野暉はプレミアリーグのメンバーも兼ねているため、小野が不在の際には齋藤がキャプテンとしての役割も担う。
「プレミアに関わっているメンバーがいなくても勝てるチームに自分は作っていきたいです。そうしていかないとチーム全体のレベルも上がっていかないので、そういう意味でも暉たちに頼らないで自分たちが発信していくということを意識してやっています」
今後も、延期となっていた宮城県勢との対戦、1試合少ないながらも得点数では青森山田セカンドを上回る2位の尚志といった、難しい相手との試合が続く。
「追いついて勝点1を取れたのは良かったのですが、ここで勝点3を取れなかったというのは(今後に)響いてくると思います。次の聖和戦に向けてコンディションを整え、改善するべきところを練習していきたいと思います」と、齋藤は気を引き締めながら次戦に向けての意気込みを語った。
青森市出身の田中栄勢は、二人の兄が青森山田でプレーする姿を見て刺激を受け、「自分も同じピッチに立ちたい」という強い思いで兄たちと同じく青森福田SSSから青森山田中・高へと進んだ。青森山田でのラストイヤーとなる今季はセカンドチームで10番を背負い、プリンスリーグ開幕から全試合に出場している。
貴重な同点ゴールを挙げるも、勝ち切れず連勝が途切れ、喜びきれない結果となったこの試合。悔しさの中で田中は、今回浮き彫りになった課題を次の試合に繋げるべく前を向く。
「0-1で負けているきつい状況で、最後追いつくことができたのは良かったですが、まだまだ課題や改善すべきところがたくさんあります。きつい時間帯でみんな足が止まってしまうので、走り負けないように、走り込みやステップなど、もっとやっていかないといけない。次に向けてチーム一丸となって改善していけたらと思います。
今まで負けなしでやってきたので、ここで勝点3を取れなかったことは悔しい部分ではありますが、結果を次に繋げられるように、できなかった部分をトレーニングで補っていきたいと思います」
共に青森山田中出身の二人。この代の青森山田中は、春の全日本U-15サッカー大会で準優勝、冬の高円宮杯U-15選手権でベスト8と、それぞれチーム最高成績となる結果を残したものも、夏の全国中学校サッカー大会では惜しくも準優勝に終わり、全国の頂点にはあと一歩届かなかった。それだけに高校では、高校3年生となった今年こそは、何としても日本一を手にしたいという強い思いがある。
「自分たちの代は中学校で全国優勝できていません。高校3年生で最後なので、(キャプテンの松木)玖生も三冠が目標と言っていますが、自分たちもAチームのサブとしてやっている中で、甘えることなくもっとレベルアップしていかないといけないと思います」(齋藤)
「下のカテゴリーがAに負けないくらいのトレーニングをして、もっと底上げしていかないと三冠は取れない。自分たちがもっと活躍をして、今年は何としても三冠を取りたいです」(田中)
サブの選手たちが奮起しレベルアップしていかなければ、プレミアリーグで先発出場する選手たちにとって刺激とはなり得ず、チーム全体の成長にも繋がらない。中学時代に果たせなかった優勝を、そして悲願の三冠を達成するため、彼らはさらなる成長を誓い前進し続ける。
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