2種(高校生)
第21回東北高等学校新人サッカー選手権大会 八戸学院野辺地西高校は秋田王者のノースアジア大学明桜高校と対戦
2022年01月31日
東北新人大会1回戦、青森第二代表の八戸学院大野辺地西は秋田王者のノースアジア大学明桜と対戦をした。
前半は野辺地西ペースだった。注目のエースストライカー・金津力輝をターゲットに後ろからのポゼッションと縦への鋭いパスを駆使して、明桜守備陣を揺さぶりにかかった。23分には右サイドを崩したMF池田汐凪のクロスを金津がスルーし、ファーサイドに飛び込んだFW山端琉央が強烈なシュートを放つが、これはGKに阻まれた。
それ以降もボランチの村上琳星のテンポの良いパス出しから、金津のキープ力と鋭いターンからの突破、山端のサポートを駆使して前に圧力をかけるが、明桜ゴールをこじ開けることができず。逆に後半開始早々の37分にカウンターを浴びて右サイドを崩されると、最後は明桜FW藤山成弥に先制弾を浴びてしまった。このゴールをきっかけに流れは明桜に傾くが、GK澤田煌希とキャプテンのCB布施颯大のコンビを中心にピンチを防ぐと、流れは再び野辺地西のもとへ。しかし、68分にMF田中真翔のシュートがDFに当たったこぼれを布施が詰めるが、これもGKの正面を突く。直後には右からのクロスを田中がゴール前でフリーで受けるが、シュートを打つタイミングが遅れてDFのブロックに阻まれた。
相手を上回るチャンスを作り出し、相手の倍近くの12本ものシュートを放つが決め切れず、後半アディショナルタイム3分に再び明桜の藤山に試合を決定づける追加点を浴びて万事休す。野辺地西の東北新人大会は初戦で幕を閉じた。
「チャンスを決め切れなかったのが全て。県外のチームと公式戦でガチンコ勝負できる機会は我々にとっては重要なだけに、1試合で終わってしまったのは残念。この敗戦からいろんなことを学んで次につなげていきたい」。
試合後、三上晃監督が語ったように、雪に覆われた野辺地町の環境から、雪のない天然芝のピッチで各県の上位校と戦えるチャンスは彼らにとって重要なものであった。だが、明桜は秋田県において近年メキメキと力をつけてきており、県外の有力選手も多くプレーしている新興勢力。その相手に対して、内容では上回ったことは大きな自信になるし、それだけの力を有していることは証明をして見せた。
その一方で2失点は全く同じ形で喫したもので、サイドでのプレスの掛け方、クロスへの応対には大きな課題を残した。1回戦後も彼らはJヴィレッジに残り、秋田第2代表の新屋など県外のチームと交流試合を行った。そこでもポゼッションやFW金津を軸にした攻撃はかなりの迫力を見せたが、クロスからの失点も目立った。
「課題が明確になった大会だと思います。今年は絶対に青森山田に勝ちたいので、ここから個々が課題意識を持って日常に取り組んでいきたい」。
キャプテンを務める布施がこう語ったように、彼らの最大の目的は過去5年間、新人戦、インターハイ予選、選手権予選全ての決勝で敗れている青森山田を倒すことにある。その壁は日本一高いと言われるが、彼らはそこに挑み続けており、その熱量は年々高まりを見せている。大きな夢に向かって、Jヴィレッジの地で得た経験を力に、彼らは新たな1年のスタートを切った。
(文・写真:安藤隆人)
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