2種(高校生)
第1回U-18青森ユースサッカーフェスティバル 3位入賞の青森山田高校
2022年08月24日
8月12日から15日にかけて、全国の強豪チームが青森市に集い開催されたU-18青森ユースサッカーフェスティバル。
この大会で青森山田高校は、星稜(石川県)、初芝橋本(和歌山県)、明桜(秋田県)と同じグループCに入り、3勝で予選リーグを1位通過。大会三日目、準々決勝で仙台育英(宮城県)に3-2で勝利するも、準決勝で東山(京都府)に1-2で敗れ3位決定戦に回ることとなった。
大会最終日、カクヒログループアスレチックスタジアムで行われた3位決定戦。対戦相手は、くしくも5日前に和倉ユースサッカー大会決勝で相まみえた日大藤沢(神奈川県)。その時は0-0のまま60分間を戦った末にサドンデス方式のPK戦で敗れ、青森山田は和倉ユース大会3連覇を阻まれていた。それだけに、「同じ相手に2連敗するのだけは、プライドが許さない。『絶対勝とう!』と言っていました」(DF三橋春希)と強い思いでこの一戦に臨んだ青森山田は、1-1で前半を終えると、後半怒涛の3得点で4-1の快勝。3位入賞を果たした。
「昨日負けて悔しい思いをして、必ず3位で終わろうというのは監督や(コーチの)正木さんからも(話が)あったので、気持ちを切り替えて最後は勝利で終われて良かったです」
三位決定戦を終えて、そう振り返った三橋春希。前半は決定機を外す場面が目立ったが、後半は2本中の2本をゴールに沈め、勝利の立役者となった。
「1点目は、自分の思っていた以上に(コーナーキックからのボールが)低く来て。でも相手の前には入ろうと思っていたので、うまく入れて足で流し込むという形で決められて良かったです。2点目は、自分がフリーで走ってジャンプして待つ、というアドバイスを正木さんからもらっていて、それがうまくできたので良かったです」
DFながら2得点と攻撃面では上々の成果をあげるも、守備面では前半、先制した後の1失点に課題を残した。
「自分の2ゴールよりも、失点したというのが本当に悔しくて。後ろは(失点)0でいきたかったので。点数を取った後というのは自分たちが一番緩くなるところなので、点数を取った後にいかに後ろが締めれるか、というところが課題です」
尾上SCから、「自分が成長できる場所」と思い定め青森山田中学校へ進学。青森山田での6年目となる今季はプレミアリーグ開幕からフル出場を続け、ディフェンスの中心にいた三橋。だが第8節で退場処分を受け、出場停止となった第9節でチームが5連敗から脱すると、その後はサブに回ることとなった。
「自分が次に出たときは必ず活躍してやろう、という気持ちはずっと持ちながらトレーニングをしてきました。和倉でチャンスを掴めたので、これからもおごらずに常に謙虚な姿勢でやっていって、頑張ってスタメンを取り続けられればいいと思います」。外で見ていたからこそ、自分がピッチの中にいるときには見えなかったものも見えた。「ベンチから見て、チームの課題や、何が足りないかというのはすごく見えて。自分が出たときはそこを埋めようと思っていたので、プラスにとらえることができた期間なのではないかなとは思います」。
この夏のインターハイでは初戦で敗れ、目指していた連覇は叶わなかった。
「インターハイではプレス、守備のところがダメで、最後まで走り切れる走力も足りなかった。インターハイが終わってから、和倉までの期間は結構きついこともやって、もう一回全員で立ち上がろうとやっていました」
その後、和倉ユースで準優勝、そして今大会は3位。優勝には届かなかったが、入賞で終われたことをプラスにとらえ、残り少なくなった高校生活でさらなるレベルアップを図る。
「チームとしては、プレミア、選手権の二つが残っているので、しっかりタイトルを取って全員で最後終われるように。個人としては、常に試合に出続けて、自分が一番やってやるんだぞという気持ちを見せて、今シーズンを戦っていきたいです」
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2-1とリードした後半、ペナルティーエリアの外から放たれたMF奈良岡健心のシュートは美しい線を描いてゴールに吸い込まれた。
「右上を狙っていて、入ったのは嬉しいですが、コースが甘かったのであまり納得いってないです」と、決めた本人は得点場面をやや厳しく振り返るも、その一撃は会場をどよめかせ、勝利を大きく引き寄せた。
連覇を目指しながら初戦敗退となったインターハイで、「自分たちの甘さに気付いた」という奈良岡。悔しさをぶつけるべくその後和倉ユース大会に臨むも準優勝。そしてこの夏の締めくくりとなる青森ユースフェスティバルは3位となったが、「自分たちのやるべきことをやったうえで3位だったので、悔いはないです」と振り返った。
青森福田SSS、ラインメール青森ジュニアユースを経て青森山田高校へ。「近くに強豪があるので、入らないわけにはいかないと思いました。最初から山田と決めていました」。
サイドからスピードに乗った縦への突破を得意とし、ロングスローでも決定機を演出する。
「1年生の頃はC2とかのカテゴリーでやっていて、悔しい思いをしていました。自主練では自分の得意なことではなく苦手なことにチャレンジしてきて、それで今ここにいると思うので、努力が報われたかなと思っています」