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2種(高校生)

第1回U-18青森ユースサッカーフェスティバル 青森から羽ばたいた若き指導者の今

2022年08月31日
8月12日から15日にかけて、全国の強豪チームが青森市に集い開催されたU-18青森ユースサッカーフェスティバル。栃木県からこの大会に参加した矢板中央高校は、日大藤沢(神奈川県)、東山(京都府)、そして青森山田2ndと同じグループBに入り、1勝2敗で予選リーグ3位。大会三日目で八戸学院光星、星稜(石川県)に勝利し、最終日、西武台(埼玉県)に敗れて10位で大会を終えた。

近年とみに躍進めざましく、インターハイは4大会連続11回、全国高校選手権は5年連続12回の出場を誇る北関東の雄・矢板中央。このチームをスタッフの一員として支えているのが、青森市出身の木村大地GKコーチだ。
青森福田SSS、青森山田中学・高校でプレーし、全中初優勝時の守護神にしてキャプテン。高校でもインターハイと選手権で全国3位を経験した。同期の神谷優太(現・清水エスパルス)、常田克人(現・松本山雅FC)がJリーガーとなり、多くの仲間たちが大学でも選手としてプレーを続けるなか、「何か(選手とは)違った形でサッカーに携わりたいなと思いました。大学ではトレーナーや指導者としての勉強をしていきたいです」(2016年1月取材時)と話し、彼は選手を支える側としての道を選んだ。
-生まれ育ったこの青森市で、全国の強豪チームを招いて開催されたこの大会についてはどのように感じていますか?

「本当にありがたいですよね、自分がいた時には当然なかったことなので。青森山田と中央学院(大学)さんのグラウンドがあって、ここ(青森市スポーツ公園サッカー場/ラグビー場/多目的広場)と、この辺りだけでも5面取れるので、そういった意味では本当に、(自分が青森にいた頃には)気付かなかったんですけど、いい環境だったんだなというのは改めて思いますね。
今回対戦させてもらった日大藤沢さんとか東山さんとか、こういったフェスティバルや全国大会でしかやらないような対戦相手さんなので、本当に刺激になります。あとは他のチームの試合もこうやって見られるというのも、本当に勉強になりますね」

-帝京大学在学時の2017年から、どのような経緯で矢板中央のGKコーチを務めることになったのでしょうか。

「青森山田のトレーナーの若松佑弥さん(青森山田中・高→帝京大学卒)、黒田(剛)監督との繋がりで現在に至るのですが、青森山田が矢板のグラウンドに練習試合に来ていたときに僕もご挨拶にうかがって、それで『矢板でキーパーコーチを探しているけど、どうだ?』と。山田と矢板の(チーム同士の)繋がりが元々あったので、そういったご縁もありながら、携わらせていただいたのが経緯という感じですね」
(※帝京大学のキャンパスは複数あるが、木村コーチが学んだ医療技術学部柔道整復学科は栃木県宇都宮市に所在するため矢板市と近い)

-ただ矢板中央としても、OBでもない大学生をコーチに起用するというのは相当なチャレンジだったのではないかと思います。

「そうですね。そこは本当に繋がりというか、それこそ青森山田でやっていたからこその信頼というか、そういったものも大きかったと思います」
青森山田中で実績を残し青森山田高へ進むと、1年生からプリンスリーグ東北に出場。プレミアリーグでもベンチ入りを果たすも、その年は現在ブラウブリッツ秋田で活躍する田中雄大が絶対的守護神として君臨していた。2年生になるとプレミアリーグ開幕戦でスタメンを務めるが、そこへ強力なライバルが現れる。のちに青森山田史上初の全国二冠を達成し、FC東京に加入する廣末陸(現・JFLラインメール青森)である。
1年生から正GKの座を不動のものとした廣末の陰で、2年間サブGKという序列が変わることはなかった。それでも中学時代からひたむきに、献身的にチームを支え続けた彼の存在は大きく、必要不可欠なものだった。それは弊誌バックナンバーに残された指導者たちの言葉からもうかがい知ることができる。

『いくら実力があってもチームにまとまりがなければ勝てない。木村大地は嫌われ役も買って出てチームをまとめてきたので、良いチームになったし勝てたと思います』(vol.18、大久保隆一郎GKコーチ)
『ずっと二番手でも腐らないでしっかりやれるし、笑顔を絶やさない。彼はそういうところが良かった』(vol.38、黒田剛監督)
『(選手権ベスト4進出を支えたサブメンバーの奮闘を称え、)その中でも一番は木村大地の存在が大きく、アップ中にサブの選手に積極的に声を掛けていた』(vol.38、正木昌宣コーチ)

青森山田中2年時から5年間にわたり指導を受けた大久保GKコーチ(現・名古屋産業大学GKコーチ)をはじめ、青森山田のスタッフ陣とは、選手と指導者という立場から指導者同士に変わった今も、交流が続いているという。
「大久保さんには今でも、何かあったら相談したり報告したりしています。全国大会が終わった後は必ず報告しますし、監督と正木さんとは遠征先でご一緒させていただいていますし、中学校の上田(大貴)先生もそうです。そういった方々に本当にお世話になりながら、今高校サッカー界でやらせてもらっているというところですね。OBの方々にも本当にお世話になっているので、あらためて山田を卒業して良かったと思います」
-今指導者となって、喜びや手応えを感じるのはどんなところでしょうか?

「選手たちが成長していく過程を本当に直で見させていただいているので。もっと言えば中学校3年生の時に矢板に行くという決断をした、志したところから、卒業するところまで携わらせてもらえるということに意義を感じています。学生スポーツならではの醍醐味なのかなとは感じさせてもらっていますね」

-その一方で、指導する難しさを感じることもありますか?

「ありますよ。難しいことの方が多いです。選手たちをどれだけ踏ん張らせられるかとか、どれだけいい環境を与えることができるのかというところは本当に、四苦八苦しながらやらせてもらっていて。でも、その試行錯誤が勉強ですので」
【第99回全国高校選手権での木村GKコーチとGK①藤井陽登(現・明治大学1年)。青森県十和田市出身の藤井は1年生から矢板中央の守護神として活躍し、日本高校選抜にも選出された。
青森ゴールでは、vol.62、vol.68、vol.74と、これまで三度にわたりインタビュー記事を掲載している。】


-矢板中央はこの夏のインターハイでベスト8でしたが、今後はプリンスリーグ関東、そして選手権も控えています。

「日本一という目標は当然ベースにあるので、その中で個人個人の成長といったこともしっかりと促すようにして、あと半年、今の子たちと過ごせたらなと思います」

-これから先の長期的な夢や目標はありますか?

「1年1年勝負させてもらっているので、5年後10年後というのは、いい意味で見えていないというか。何も考えていないということではないですが、あっという間に丸5年と半年経って今6年目なので、本当に1年1年、子供たちと頑張ってやれたらなと思っています」

青森山田で過ごした6年間で培われたもの、今も彼のなかで生きているものは何だろうか。
「社交的になりますよね。挨拶や返事、行動とか」
そのひとつの例として木村コーチが挙げたのが、彼自身経験したことがあるという駐車場係だ。プレミアリーグなど青森山田高校のグラウンドでホームゲームが開催される際、メンバー外の部員に駐車場係が割り当てられ、車での来校者を案内し適切に誘導することが求められる。見ず知らずの大人を相手に、常に状況を判断し、気を配る。それは、試合に出られないからと不貞腐れて駐車場にただ突っ立っていては務まらない仕事だ。
「駐車場係を大人になってからやることはあまりないかもしれないですが、相手が今何を求めているのか、といったアンテナのところを張りますよね。そういったものがベースになって今も生きていますし、培わせてくれたことに感謝しています」

試合に出られない苦しさも、共に過ごす仲間たちと分かち合う喜びも、身をもって経験してきたからこそ指導者になった今、選手たちに伝えられることもある。
「高校の時は僕も苦しい経験をしてきたので、苦しい中でも喜びや、自分の中での光を見つけられるか、というのがすごく大事になってくるのかなと思います。そういった希望を持った中でやっていかないと、学生スポーツは締め切りがあるので。あっという間の3年間ですから」

青森山田を卒業して6年半。選手から指導者へと立ち位置は変わっても、そのひたむきな姿は今も変わらない。木村大地コーチはチームを支え、選手のために試行錯誤を重ね、選手とともに成長していく。




■第1回U-18青森ユースサッカーフェスティバル 全試合結果
https://aomori.oneall2013.co.jp/cup/202208u18/


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