1種(社会人)
J3昇格を争うライバルとの大一番に挑んだラインメール青森 <JFL第24節>
2022年10月10日
10月9日(日)に行われたJFL第24節。現在暫定順位4位のラインメール青森は、カクヒログループアスレチックスタジアムに3位奈良クラブを迎えた。
ともにJリーグ百年構想クラブの認定を受けている両チーム。J3参入を果たすうえで必須となる順位条件は上位4位以内、百年構想クラブのうち上位2位以内となっている。この時点で首位のHonda FC以下、2位FC大阪、3位奈良、そして4位ラインメール青森が百年構想クラブであり、勝点2差で奈良を追うラインメールにとって、勝てば順位が逆転する注目の大一番だ。
前半、試合を優位に進めたラインメール。シュート数も奈良の1本に対し6本と大きく上回り、得点の匂いを漂わせながら0-0で折り返す。
しかし66分、均衡を破ったのは奈良クラブ。ここまで9得点を挙げている奈良のFW浅川隼人のゴールで先制を許し、ラインメールの5試合連続無失点が途切れる。そのわずか4分後、ラインメールは9月に期限付き移籍で加入したFWアレフ・ピットブルの初ゴールで取り返し、試合は振り出しに。
1-1で迎えた80分、相手コーナーキックの場面から再び浅川。勝ち越しゴールを許しそのまま1-2で試合終了、ラインメールは8試合ぶりの黒星。暫定順位4位のまま、2位に浮上した奈良、奈良と勝点で並ぶ3位のFC大阪とは勝点差で5離される結果となった。
試合後の会見に臨んだ柴田峡監督は、会場に詰め掛けた1200人を超える観客にまず感謝の言葉を述べたあと、「立ち上がりにうちが結構ボールを奪えましたし、相手ゴールに向かえましたし、セットプレーも取れました。そういうなかで、勢いのまま行ききれなかった。一つ、取れるなら取っておきたかった」と主導権を握った前半のうちに点を取れなかったことに悔しさを滲ませ、「往々にしてこういうゲームはミスかリスタートでやられるというか、試合が動くことが多いのですが、まさにその通りの展開になってしまいました。ハーフタイムには0-0で折り返して、『隙を見せたらやられるよ』という話はしたのですが、その隙を逃さずに決められた先制点はちょっと痛かったです。追い付いた後の失点も、リスタートでここまで我々は1点しか取られていないのですが、リスタートでの2点目が今日の大事な試合の決勝点になってしまったというところは少し残念な感じはします。ここまで23試合1点に抑えてきたものを、2点目が今日の決勝点だったというのはちょっと悔しいなとは思っています」と語った。
「まだ全然終わったわけではない。上位のチームが全部勝つとは思えないので、我々はとにかく一つひとつ大事に戦って、今までとやることは変わらずに、ブレずにしっかり最後まで食らいついて、最後の最後まで可能性のあるシーズンにして終えられれば」と、試合の振り返りを結んだ柴田監督。この敗戦の経験を生かし、次の勝利につなげられるか。残り6試合、ラインメール青森の戦いは続く。
J3昇格の可能性を持つチーム同士の直接対決という、注目度の高い大一番。そして選手たちによる広報活動の成果もあり、この試合では1259人がスタジアムに集った。これは第16節、カズ選手の加入で話題の鈴鹿ポイントゲッターズ戦での1475人に次ぐ、今季2番目の多さである。確実に、徐々に集客は増えつつあるが、それでもまだホームでの観客数1試合平均2000人というJ3参入要件には大幅に足りていない現実がある。チームの認知度を広げ、より多くの人に応援されるチームとなっていくための活動は今後も継続していく必要があるだろう。
今季のJFLも残りわずか6試合、そのうち3試合をホームで戦うラインメール青森。
ぜひホームゲームに足を運んで選手の後押しを!
10月23日(日)13:00~ @カクヒログループアスレチックスタジアム
vs FC大阪
11月6日(日)13:00~ @弘前市運動公園陸上競技場
vs 東京武蔵野ユナイテッドFC
11月13日(日)13:00~ @新青森県総合運動公園球技場
vs ヴィアティン三重