2種(高校生)
高円宮杯U-18プレミアリーグEAST第7節 連敗を脱した青森山田高校、ホームでスコアレスドロー
2024年05月20日
各地で熱戦が続く高円宮杯U-18プレミアリーグ。今季ここまで2勝3敗1分、3連敗中と苦しむ青森山田は5月19日(日)、第7節で大宮アルディージャU18をホームに迎えた。
前節、アウェイでの鹿島アントラーズユース戦では今季最多の3失点で敗れた青森山田。
「全部を求めると迷子になってしまうので、守備力と走力、この二つをテーマにきちっと整理して、今週みんなで取り組みました」と正木昌宣監督。「山田の原点に戻ろう」と、90分間の運動量と粘り強い守備で試合を制するべく、ほとんどの選手のポジションを入れ替えてこの試合に臨んだ。
優勢に試合を進めながらもスコアレスで折り返すと、後半は5人を入れ替え、セットプレー、サイドからの仕掛けでゴールを狙う。許したシュートはわずか1本と守備の立て直しには成功したが、相手キーパーのファインセーブにも阻まれて最後まで1点が遠く、0-0のまま試合終了となった。
連敗は3でストップしたものの白星は得られず、試合後「(失点)ゼロでいきながら勝つことを求めていたので、悔しいです」と率直な思いを口にした正木監督。勝点1を得て、ここまで7試合を終えての順位は8位となった。
試合後に話を聞いたのは、共に大阪市ジュネッスFCから青森山田高校の門を叩き、今季は開幕から全試合に先発出場している二人。
MF6山口元幹はボランチを本職としているが、この試合ではセンターバックを務め、無失点に抑えて連敗ストップに貢献。
目標としている選手は特にないものの、「デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)のプレーはずっと見ています」とのこと。
「自分は前回までずっとボランチで、フルでセンターバックをやったのは3年ぶりくらいでした。なかなか慣れないなかで(失点)0で抑えることができましたが、厳しいときにセンターバックの選手とかがセットプレーで1本取って勝つというのが山田なので、そういうことができなかったのが悔しかったです」
足元の技術に長け、プレースキッカーとしても活躍するMF23川口遼己。
目標としている選手を尋ねると、「ずっと見ていたのはモドリッチ選手(レアル・マドリード)です。自分と同じく小柄で、それでも状況判断でドリブル、パス、シュートを瞬時に使い分けたり、見ていて面白いプレーや相手の意表を突くプレーをするので、動画とかを見て学んでいます」と答えてくれた。
「三連敗していて、ホームで勝ちがないという状況で挑んだこの一戦でした。後ろの選手は0で抑えてくれていましたが、ずっと攻め込んでいたなかで1点が取れずに0-0というのはやっぱり課題で、前の選手の責任だと思うので、前線の選手が改善していければこれから勝てるのかなと思います」
プレミアリーグはここで一旦中断期間に入り、チームはインターハイ出場を懸けた県高校総体へと突入する。
山口元幹の心には、昨年秋の県新人大会の苦い記憶が鮮明に残っている。初めて自分たちの代が主体となって挑んだ県大会決勝は、相手に先制を許し、試合終了直前に逆転して掴んだ薄氷の勝利だった。
「県新人では相手を圧倒できずに五分五分の試合をしてしまったので、この夏の県総体はしっかり圧倒して勝ちたい。今日も決してネガティブな試合ではなかったので、県総体をしっかり良い内容と結果で勝って、プレミアが再開したときに勝ち越せるようにしていきたいです」
川口遼己もまた、「先輩たちが築いてきた何百連勝という記録を途切れさせるわけにはいかない。そういう(プレッシャーのかかった)状況を楽しんで、相手を圧倒して全国の切符を掴めるように、まずは全員でチーム一丸となってやっていきたいです」と、県総体に向けて強い意気込みをみせた。