1種(社会人)
ラインメール青森、スコアレスドローで今季ホーム戦を終える<JFL第29節>
2024年11月19日
11月17日(日)、新青森県総合運動公園球技場で今季のホーム最終戦を迎えたラインメール青森。ここまで28試合を終えて9位と、昇格の可能性がある2位以内には手が届かないまま今シーズンが終わろうとしている。
第21節でソニー仙台に逆転勝利して以降白星から遠ざかってたが、アウェイでヴィアティン三重と対戦した前節で7試合ぶりの勝利。勢いに乗って今季3度目の連勝を目指すべく、ラインメールは7位・Honda FCと戦った。
冷たい雨が降り続く中、昨季王者・Honda FCの攻撃に耐えカウンターで得点を狙うも、決定機を多く作ることができないまま、双方ゴールネットを揺らすことなく0-0で試合終了。勝点1を得るにとどまり、順位は変わらず9位でラインメールの今季ホーム戦が終わった。
試合終了後には今季のホーム戦を締めくくるセレモニーが行われ、この日不在だった榊美樹代表取締役社長の挨拶を井上晴雄チーフマネージャーが代読。
続いて、チームを代表して柴田峡監督、山口和樹キャプテンが今季を振り返り、今季の応援への感謝の言葉をファン・サポーターに伝えた。
セレモニー終了後の会見で山口和樹キャプテンはこの試合を振り返り、「今日の試合はホーム最後ということもあって、選手全員気合いが入っていました。相手もいいチームなので、そう簡単にはいかないというのは始まる前からわかっていました。押し込まれる展開が長かった中で、先週の三重戦のようにいい形でカウンターが決まればよかったですけど、なかなか難しかったというのが攻撃の印象です。守備はいつも通り、ディフェンスラインを中心に体を張って、失点0に抑えることができたので、そこは来週も続けてやっていきたいなと思います」と語った。
今季、プロになって初めてキャプテンとして1シーズンを戦い、「難しいことしかなかった」と振り返った山口キャプテン。
「僕は今までさまざまなチームでサッカーをさせてもらってきて、いろいろなキャプテンの人を見てきましたが、僕は言葉で引っ張れるタイプではないので、プレーで示すしかないと思っていました。言葉で引っ張ることが苦手なので、すごく難しさを感じたんですけど、それもすごくいい経験になったし、すごく成長できた部分ではあったので、本当に選んでくれた柴田さんには感謝していますし、キャプテンとして昇格できなかったというのはすごく責任を感じています」
昇格というミッションを果たせなかったことに悔しさを滲ませながらも、「このメンバーで戦えて僕は幸せでした」と話した山口キャプテン。泣いても笑っても、このメンバーで戦えるのは残りあと1試合。最後は勝利で、笑顔で今季を締めくくるべく、チーム一丸となってアウェイでの次節・ヴェルスパ大分戦に臨む。
試合後の会見で、サポーターに向けて感謝の思いを口にした柴田峡監督。
「こういう天気の時も、暑い日も風の強い日も足を運んでいただいて本当に感謝しています。サポーターって、僕は松本にもいたからすごくよくわかるんですけど、『この中で応援したら楽しいだろうな』という、サポーターみんなで手拍子をしたり、少し体を動かしてみたり、ちょっとしたレクリエーションやスポーツみたいに楽しめる部分ってあるんじゃないかなと思うんですよね。少ないサポーターの方がありったけの声を振り絞って出していただける応援というのも、これもまたある意味迫力があるな、というのもここに来て3年間で感じたことです。少ないからこそ彼らもモチベーションが大変な時もあるだろうし、そういう意味では本当に感謝しかないです。僕自身もこのあと、次の試合が終わればこのチームのサポーターの一人になると思うので、このクラブがどんどん発展していってもらって、サポーターの方々とクラブを育てていただければありがたいなと思います」
セレモニー後にはサポーターから感謝の気持ちが込められた横断幕が掲げられた。その時の気持ちを問われて柴田監督は「本当にありがたいですよね。きちんと昇格という結果を出せていないにもかかわらず、ああやって温かく…。温かく送り出していただけない監督もいるわけですから。僕は、前のチームの時は全くサポーターとコミュニケーションのないままチームから離れてしまったので。そういう意味では本当に、とても大事にしていただいて感謝しています」と、思いを述べた。
今季限りでの退任が発表されている柴田監督。この3年間を振り返って、特に印象深かったシーンについて聞いた。
「どの試合もそれぞれ思い入れがありますが、去年の最終節、勝てば(昇格の)可能性があった試合。それから一昨年の、カクスタで負けた奈良とFC大阪との試合。その二つを落としていなければたぶんいいところまで行けていたと思うんです。1年目はチームとして経験不足な選手が多いなという感じでした。去年は最終節までもつれたけれど『このまま簡単にはいかないだろうな』ということをおぼろげながら考えていた90分間で、だからこういう結果になったな、という感じだったんです。その3試合は特に昇格に手が届きそうだった試合だったと思うので、記憶に残っている感じです。
勝った試合では、7試合ぶりの勝利だった先週の試合。アウェイで、(相手は)まだ昇格の可能性があった三重でしたが、三重には3年間勝っていなかったんです。三重に初めて勝ったというのも、自分の中ではこんなに勝てなかったことはこのチームに来てからないので、先週のゲームでまだ記憶に新しいというのもありますけど、うれしかったですね」