2種(高校生)
第24回東北新人大会振り返り <青森山田高校 悔しさを糧に再び全国の頂点へ>
2025年03月03日
2月1日から福島県のJヴィレッジで開催された、第24回東北高等学校新人サッカー選手権大会。
青森県新人大会を制し東北大会に出場した青森山田高校は、1回戦で宮城県3位の東北大明成高校と対戦。2-0で勝利し2回戦に駒を進めるも、福島県1位の尚志高校に1-4で敗れベスト4進出は叶わなかった。
先制しながらも後半だけで4点を許し敗れるという展開に、「こういうスピード感のサッカーをやっていなかったので、懸念していたところがもろに出てしまった」と正木昌宣監督。昨年のチームでも多くの試合に出場し経験豊富な中盤のキーマン・MF長谷川滉亮の負傷退場というアクシデントも影響した。
「核となる選手が抜けた時の修正力が、ちょっとこのゲームの中では追いつかなかったなという印象です。中盤の守備ではどうしても長谷川が担っていたところが多かったので。相手の攻撃力はかなり高いものがあるので、それに対して少しずつズレが生じてきて、最後の最後で対応しきれていなかった。この守備のところを強化していければ」
「まだまだこれから伸びる可能性があるチーム。今回の気付きをきちっと改善できればと思います」と正木監督。
2024年は全国三冠、連覇を目指して戦うも果たせず、選手権は初戦敗退、悔しい結果となった青森山田高校。それでも高円宮杯U-18プレミアリーグでは苦しみながらも8位で残留を果たし、新チームに大きな財産を確実に残した。
この冬は例年以上に多くの積雪に見舞われた青森市にも、ようやく春が訪れようとしている。雪の中で蓄えられた力を解き放ち、王座奪還へ。15年目のプレミアリーグは4月5日(6日)、開幕を迎える。
2年生ながら青森山田高校の守護神として活躍し、U-17日本高校選抜候補に選出されたGK松田駿。東北新人大会の振り返り、今後に向けての意気込みを聞かせてもらった。
― お疲れさまでした。2回戦についての振り返りをお願いします。
「前半、ショートカウンター1本で自分たちらしいゴールを決めて波に乗ったというのはあるんですけど、後半の立ち上がりで相手のほうが『やるぞ』という気持ちが高くなってきて、それに自分たちが負けてしまい、1点入ってからミスが続きました。自分たちの課題である継続する力や集中力、大事な時間にどれだけ自分たちが守備をやれるかというところが全然足りてなくて、点を決められてずるずる下がって何失点もしてしまい、自分たちで立て直せなかったというのが一番の敗因かなと思っています」
― 4失点となったことについてはどのように感じていますか?
「味方が点を決めてくれたぶん、自分が無失点であれば絶対に勝てる試合でした。自分がもっと(失点)ゼロにこだわるというところや、指示を出してシュートを打たせないことにこだわっていれば負けることはなかったので、今回の4失点は全部自分のせいだと思っています」
― 青森では雪の影響もあって実戦練習ができず、試合勘の面で難しかったところもありますか?
「それを言い訳にしたらチームは終わりだと思いますし、それでもやらないといけない。それが東北の王者として、全国大会常連校としての意地であり、それをふまえたうえで自分たちもやっています。そのなかでまだまだ足りていないというのが今大会を通しての課題だと思うので、一人ひとりがもっと意識を高くしてやるしかないと思います」
― U-17日本高校選抜チームの大久保隆一郎GKコーチ(名古屋高/霞ヶ浦高)は青森山田出身でした。
「歴代の強い青森山田のキーパーを見ているので、細かいところまで教えてくれて、自分もどんなことでも聞いて吸収してやろうという気持ちがありました」
― 今後の目標を聞かせてください。
「チームとしての目標は三冠ですが、東北で負けているようでは三冠なんて言っている場合ではないですし、もっとチームを勝たせられるキーパーになるということが大事だと思っています。チームを勝たせられれば自然とスカウトの目にもとまると思うので、まずはチームを勝たせられるようなキーパーになって、将来の夢であるプロサッカー選手になることが今の自分の目標です」
この時点では候補であったが、その後U-17日本高校選抜メンバーに選出され、第40回静岡県ヤングサッカーフェスティバルにも出場した松田駿。「チームを勝たせられるキーパー」を目指し、新チームを勝利へと導く。