1種(社会人)
JFLラインメール青森 9戦無敗も悔しいホーム戦での引き分け
2025年05月20日
リーグ戦は開幕から8戦無敗で首位。天皇杯青森県代表の座も掴み取り、めざましい快進撃を見せている今季のラインメール青森。
5月18日(日)に開催されたJFL第9節は、約1か月ぶりのホームゲーム。13位・FCマルヤス岡崎を迎え、今季初めて新青森県総合運動公園球技場を舞台に戦った。
開始12分に今季初めて先制点を奪われたラインメールだったが、前半終了間際にFW20平尾泰雅の鮮烈なシュートが決まり1-1として後半へ。
79分、再びリードを許すも、わずか2分後、FW10ベッサのゴールで再度同点とする。しかし計15本ものシュートを放つも勝ち越しゴールは奪えず、前後半1本ずつあったPKの失敗も響き、2-2で試合終了。前節3位だった沖縄SVに首位の座を追われ、2位となった。
これで開幕から9戦無敗も、「勝点3を取れなかったのは残念。失点のところも、軽い失点だった」という原崎監督の言葉には負け戦にも等しいような悔しさが滲んでいた。
「勝てなかったということがすべて。この内容で勝てなかったというのは良くはないな、と。次はまた天皇杯という違う試合が来ますけれども、正直に今は悔しさしかないので、この悔しさを今後にぶつけるしかない」
この日試合会場に集ったのは1,020人。原崎監督は、「1,000人を超える方が我々に期待して見に来てくれたということに関しては本当に感謝するのと、なおさら勝った試合を見せられなかったというのは申し訳なく悔しい。ちょっと今冷静に話すのがいっぱいいっぱいなほど悔しいという気持ちが強いので、本当にこの悔しさをしっかりとゲームで、いい試合を見せて、ファン、サポーターの皆さんに今後勝ち試合を届けられるように選手とやっていきたいと思います」と思いを述べた。
J3昇格のためにはホーム戦の平均入場者数2,000人以上が求められるが、ここまでのホーム戦3試合でまだ一度も2,000人を超えた試合はない。成績と集客、その両方で結果を追い求めるラインメールの戦いは続く。
今季新加入でJFL初先発。「めちゃくちゃ緊張しましたね、やっぱり。緊張したんですけど、選手や監督、みんなが自分をなごませるような声を掛けてくれたので、思いきってプレーすることができたと思います」と話したFW20平尾泰雅。「彼は得点を取る能力のある選手」という原崎監督の期待に応え、前半終了間際には嬉しいJFL初ゴールを記録した。
「初めてリーグ戦でスタメンという機会をいただいて、絶対ゴールを決めなければいけないというところで、失点しましたがそのあと前半が終わる前にゴールを決めることができました。まだまだもっとゴールに貪欲に、もっとチームを楽に勝たせられるようにしていきたいなと思いました。
(ゴールは)普段練習している、得意な形。思い描いている通りのまま入ったので良かったです」
「東北リーグも上手な選手は多くいましたが、カテゴリーが一つ上がるとみんなうまい。すごく強度が上がって大変でした」
昨季まで東北社会人リーグのブランデュー弘前でプレー。昨年夏、青森ゴールvol.89のインタビューでは「ここで活躍して上のカテゴリーのチームから声が掛かる選手になりたい」という目標を掲げていた平尾。JFLへのステップアップを果たし、前節で初めて途中出場すると、ついに先発を任せられるまでに成長した。
「自分のプレースタイルを周りに理解してもらえたことが一番大きかったと思います。みんな『どんどん仕掛けろ』と言ってくれる」と話すように、持ち味とするのはドリブル。「ガンガン仕掛けてゴールというのをしっかり追求したい。日々練習からこだわって、試合で結果が出るように頑張っていきたいと思います」
広島県出身で、高校、大学と西日本を離れたことはなかった平尾だが、青森県民となって今年で4年目。今では「青森県が大好き」と話す。
「人がすごく優しい。ブランデューにいる頃からけっこう声を掛けてもらったりするんですが、声掛けが温かかったり、雰囲気が落ち着くというか。青森県のために絶対J3に昇格したいという思いで日々戦っています」
ラインメールの次なる戦いは第105回天皇杯。青森県代表として、5月25日(日)13:00、北海道代表のBTOP北海道とプライフーズスタジアムで1回戦を戦う。
この試合に勝利すれば、2回戦には横浜F・マリノスが待っている。平尾は、「次の相手は一つ下のカテゴリー(北海道リーグ)ですが、気を抜いたりとかそういうプレーはなしにして、絶対勝って格上の相手とどんどん試合をして、チームを成長させていきたい」と意気込んだ。