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1種(社会人)

JFL第23節 ラインメール青森、4連勝で2位浮上!

2025年09月30日
9月27日(土)、3位のラインメール青森はホームのカクヒログループアスレチックスタジアムで13位のアトレチコ鈴鹿と対戦。
優勢に試合を進めながらもゴールを奪えず0-0のまま折り返すと、試合終了が近付いた89分、ついに待望の1点が生まれる。DF27佐久間駿希のクロスに頭で合わせたのは、途中出場のベテランFW13有田光希。
この1点を守り切り、1-0で勝利したラインメール。
勝点2差で首位のHonda FC、2位のレイラック滋賀がいずれも引き分けたため勝点44で並び、得失点差でレイラックを上回って2位に浮上した。
この日の入場者数は昨季同じくアトレチコ鈴鹿戦で記録した3,019人を抜き、クラブ史上最多の3,050人。J3昇格のための要件(1試合平均2,000人以上)に大きく近づいた。
アトレチコ鈴鹿のDF28工藤駿は青森県出身(岩木JFC→AC弘前→開志学園JSC→日本体育大学→AC長野パルセイロ)。センターバックとしてラインメール攻撃陣の前に立ちはだかり、フル出場した。
2019シーズンにヴァンラーレ八戸に在籍したMF7日髙慶太がボランチで先発。前半のみの出場となった。
(青森ゴールvol.57にてインタビュー掲載)
0-0のまま迎えた試合終盤、ラインメールに訪れた得点のチャンス。セットプレーでゴール前に上がってきたDF3遠藤元一キャプテンが、ゴール裏、そしてメインスタンドに向かって何度も両手を上げて煽る。
チームメイトに気持ちを伝染させることが自身のストロングポイントだという遠藤キャプテン。その熱量は確実に観客席にまで伝わり、声援は力を増して選手たちの背中を押した。
昨年まで2シーズンにわたり東北社会人リーグのブランデュー弘前で監督を務めていた、アトレチコ鈴鹿の山本富士雄監督。「何とか前後半失点せずにカウンターでチャンスを狙って戦いましたが、最後の最後に失点して勝点を取ることができませんでした」と試合を振り返った。
「勝点3を毎試合積み重ねて、その先にどこまで行けるかというところの勝負。勝点3をしっかり取れたというのは、非常に選手が頑張ってくれたかなと思います」と、ラインメール青森の原崎政人監督。「3,000人を超えるファン、サポーターのかたがこうやって足を運んでくれて、我々に対する期待だったりというものも感じていますし、そういうところに残りの試合でしっかり応えられるようにまたやっていきたいと思います」

中断期間明けの初戦、第19節FCマルヤス岡崎戦こそ1-4で敗れたものの、その後は4連勝。試合終了時点で暫定首位に立ち、勢いに乗るチームの雰囲気について「中断明けで負けた時もトレーニングは非常にいい雰囲気でやってくれて、そこで下を向くことなくもう一回みんなでやり直すという雰囲気を彼らも作ってくれていました。今こうやって、今日の試合であれば途中出場で出た有田が点を取り、もちろんスタートでいく選手だったり、途中から入った選手だったり、今日は残念ながら入れない選手といったところも、本当にトレーニングでやるべきことをしっかりと今みんながやれている」と話した原崎監督。
残すところあと7試合。今後に向けて指揮官は「これまでと全く変わらないです。毎試合相手にしっかり勝って、勝つ準備をして、自分たちでしっかり目標の優勝というところに辿り着けるようにやっていきたいと思っています」と意気込みを語った。
練習でも率先してその明るいキャラクターでチームを照らす、まさに「太陽」と原崎監督が評した有田光希は、「(佐久間)駿希からいいボールが来ましたし、考えていた通りの動きができました。コースを狙うというよりは本当に泥臭く、枠の中に入れるというのは意識していましたので、結果入って良かったです」と決勝点の場面を振り返った。

「前半からボールを持てている展開ではあったんですけどなかなかシュートまでいくことが少なくて、相手にとって怖い攻撃というのができていませんでした。自分が入ってからは、ゴールを取るというのが仕事だと思いますし、それを期待されてピッチに出してもらっているので、何とかその期待には応えられたかなと思います。
 今の役割的なところで言うと、前節でいえば1-1の状況とか、今日でいえば0-0の状況で、あの時間帯に入る意味を自分でも理解しているつもりですし、1点取ればうちの守備陣なら崩れることはないと信頼もしているので、その1点を早く取ることができて良かったです。結果的に後半の最後のほうの得点にはなっていますけど、少ない時間の中でもワンチャンス決めるというのは自分の中で常に思っているので、それが今はいい結果として出ています。今日もゴールを決めるシーンの前に1本自分の中では決めれたなというシーンがあったので、そういったところもしっかり決めきれるように今後も練習のところからこだわってやっていきたいと思います」
「残り試合も少なくなってきて、優勝、昇格というのを目標にしている以上、周りの結果というのは僕たちよりも周りの皆さんたちが気にして下さっているというのはすごく伝わってきます。ただ僕たちは今日の試合もそうでしたけど、目の前の1試合1試合に集中して自分たちの力を出さないと、簡単に勝てる試合というのはなかなかないので。今日も苦しいゲーム展開でしたし、一歩間違えれば相手に先に点を取られてもおかしくない展開のところはあったので、本当に周りの結果も気になる状況にはなってきているんですけど、自分たちのサッカー、試合に集中して、1試合1試合戦っていきたいと思います」

ここ4試合先発からは外れているが、前節いわてグルージャ盛岡戦でも途中出場から同じ89分に決勝点を叩き出した有田。自分に課せられた役割を遂行し、チームを勝利へと導くストライカーは力強く意気込みを語った。
「結果的に僕が今決めて勝っている状況にはなっていますけど、こうしてベンチの選手が途中から出てきて結果を出すというのはチームに勢いも出ますし、スタートの選手たちがあの時間まで頑張ってくれているから、サブで出た選手が結果を残して勝ちにつながる状況を作れているので。どの選手が出ても今結果を出せると思いますし、自信を持ってやれています。まだまだ足りないところはあるので、それを修正しながら、勝ちにこだわってやっていきたいなと思います」
この日ラインメールのベンチには20番のユニフォームが掛けられ、試合後有田はそのユニフォームをサポーターの前に高く掲げた。
そのユニフォームの持ち主、FW20平尾泰雅は9月13日に行われた第21節Y.S.C.C.横浜戦で負傷。その後9月22日、骨折のため手術、そして全治は未定であると発表された。
「(平尾選手の怪我は)出場して本当にすぐだったので。一緒にピッチに立っていましたし、間近で喋ったりもしたので、彼の悔しい思いは、僕も今まで色んな選手たちとやってきてそういう選手をいっぱい見てきて、チームがいい順位にいるなかで力になれなくて歯痒いというのは、僕自身もそういう思いをしているのでわかります。でもそんな泰雅が、怪我して次の日には僕たちに『優勝してください』という言葉をかけてくれました。やりたくてもやれない選手はたくさんいるし、そういう選手がチームメイトにいるというのも僕たちは感じながら、そういう選手の思いも託されていると僕は思っているので。今日勝って、さっきも泰雅から連絡が来ていましたけど、見てくれているので。いい報告ができるようにこれからも、僕がゴールを取ることで示しながら、チームとして勝ち続けて優勝できたらいいなと思います」(有田光希)

20番のユニフォームをカメラに広げて見せたMF15田村陸、そして平尾とはブランデュー弘前からのチームメイトであるMF6浅利航大。
チームメイトへの思いを胸に、共に戦うラインメール青森。10月12日(日)に行われる次節、カクスタにて13時より、6位のブリオベッカ浦安・市川を迎え撃つ。
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