大学サッカー通信
第46回 大学サッカー通信 ~佐々木 銀士(青森山田高校→東洋大学 3年)~
2021年07月13日
第46回 佐々木 銀士(青森山田高校→東洋大学 3年)
ささき ぎんじ
東京都出身。三菱養和SC巣鴨ジュニアユースから青森山田高校へ進学。3年時には全国高校サッカー選手権優勝を経験。全試合に出場し1得点3アシストの活躍を見せ、大会優秀選手にも輝いた。
取材・写真・文:安藤 隆人
取材日:2021年7月10日
「アミノバイタル®︎」カップ2021 第10回関東大学サッカートーナメント大会
東洋大学vs東京国際大学
青森山田の2度目の選手権優勝から3年、1トップとして猪突猛進なプレーを見せていた佐々木銀士は、東洋大のストライカーとして奮闘をしている。
彼が入学当時、東洋大は関東1部だったが、少しずつ出番を得ていた佐々木が直面したのはチームの2部降格という現実だった。昨年、1部昇格こそ逃したが、アミノバイタルカップ(昨年は総理大臣杯が中止になり、インカレと総理大臣杯の代替大会であるatarimaeni Cupの出場チームを決める大会として10月〜11月に開催された)ではチームの快進撃の立役者となり、4位に食い込んでatarimaeni Cup出場権と大会得点王を獲得した。
そして、3年生となった今年、彼はよりゴールへの貪欲さを持ったストライカーとして、アミノバイタルカップに臨んでいる。東京国際大との初戦で1トップとして出場をすると、立ち上がりから積極的に裏を狙う動きを見せた。だが、ボールがうまく収まらなかったり、動き出しのタイミングが合わなかったりと、この日のプレーは若干精彩を欠いていた。
チームもなかなかリズムが掴めず、試合は1−1で延長戦へ。延長前半3分に右CKからDF神山京右が勝ち越し弾を決めると、7分にもオウンゴールで追加点を奪い、3−1で2回戦進出を決めた。
「前半立ち上がりに自分たちが裏のスペースを狙ってチャンス作れたけど、シュートまでいけなかったし、僕もチームも調子が微妙でした。でも、戦う気持ちを持って戦い抜いて、120分走り抜けることができたことで、勝つことができたと思います」。
本人が語ったように、決して納得の行くプレーはできなかったが、次のステージに進むことはできた。次なる相手は明治大。ここで力を発揮してこそ、本領発揮と言える。
「苦しい時に決め切る選手になりたいし、2部なので当たって砕けろという気持ちでやれるし、来年は絶対に1部でプレーする気持ちが強いので、燃えています」。
爆発を誓う中で、彼は今、自分の原点を見つめている。
「今の状況は高3の時と似ていて、後期のプレミアリーグEASTでなかなか点が取れずに苦しんでいた時があったんです。その時に黒田剛監督が『迷うな。クロスにどんどん飛び込めばチャンスが来る』というアドバイスをもらって、そこからよりクロッサーの状態や敵の位置などを見て、積極的に飛び込むようになって得点感覚を養うことができた。それは大学に入ってからもずっと意識をしていて、去年はその形のゴールが増えて、自分の武器になった。高校の時の教えを忘れずに大学でやっているからこそ、結果を出せていると思うので、これからもそれを続けたいと思います」。
初心を忘れずに自分の武器を愚直なまでに磨き上げることこそが、結果を出すことへの近道。この試合でそれを再確認したからこそ、次からの爆発を自らの口で誓った。
「僕が求めているのは高校の時のようにタイトルを取ること。どんな形であれ、チームを勝たせられる選手になりたいです」。
モチベーション高く。佐々木は真っ直ぐにゴールに向かって何度も何度も突き進む。
そして、東洋大学は2回戦で明治大学と対戦し勝利を収め、準々決勝進出をきめた。