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先日発売されたVOL.44からチーム取材特集ページを掲載します!
2017年02月28日
59回目を迎えた青森県中学校サッカー秋季新人大会で、栄えある優勝を飾った青森山田中学校。その青森山田中学校と決勝で相対したのが、今回取材をした市川中学校の面々だ
「次は青森山田に勝ちたい」と彼らは口を揃えていう。昨秋の雪辱を果たすために、日々練習に打ち込む彼らの姿を見守るのが佐藤浩一監督。
「まだまだ行動が伴っていないので、(打倒青森山田を)本気でやれるのかということを、常に子どもたちに伝えていきたいと思っています」
そう気を引き締める佐藤監督は大阪府の出身。青森に来たのは2年前。北海道と北東北3県の教員交流事業で、市川中学校に赴任することになったのが、青森県と関わるきっかけだった。
「最初はあまり青森のサッカー事情を知らなくて」と苦笑する佐藤監督は、赴任と同時にサッカー部の顧問として、子どもたちを指導するようになる。
チームのコンセプトは「走り勝つ」「前からプレスをかけて、高い位置でボールを奪う」「ボールを持っていないときにいい動き出し、準備をすること」と、常にハードワークをすることで勝利を目指す。
サッカー以外の生活面では、「礼儀、時間、友情の3つを大事にしようと取り組んでいます。あとは常に感謝の気持ちを忘れないこと」と、ピッチ内外で子どもたちに真摯に接する。
練習は週6回、土日も交えて行われる。そのほか地域貢献にも積極的なのが佐藤監督の指導法。
「学校の近くにダイハツスタジアムができたので、たびたび雪かきのお手伝いをしに行っています。以前から練習でピッチを使わせていただいているので」
このような活動も行いつつ、日々子どもたちに接している佐藤監督だが、その際気をつけていることがあるそうだ。
「言葉のかけ方、使い方には気をつけています。いまは発した言葉が与える影響のプラスとマイナスの振れ幅が大きいので」
多感なこの時期の子どもたちに対する優しさが垣間見える。さらに自身の経験から、ベンチを温める子に対しての心遣いも忘れない。
「小中高大とサッカーを続けてきましたが、高校と大学ではほとんど試合に出られなかったんです。だから試合に出られない子の気持ちがわかる。でも自分はサッカーを続けてきていい経験ができた。いまは出られなくても、続けていればいいことがあるんだということを、この経験から伝えていきたい」
最近までまったくといっていいほど、青森県とは縁のなかった彼が語る子どもたちへの思い。
しかし、時間は有限だ。