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最新号『AOMORIGOAL vol.50』から、連載の『サッカージャーナリスト 安藤隆人が行く』を紹介します!
2018年03月01日
第20回
湘南ベルマーレ・梅崎司選手のノンフィクションストーリー
『15歳 サッカーで生きると誓った日』
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皆さん、こんにちは!
あっという間に1年が過ぎ、2018年を迎えました! 今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。今年も変わらず高校サッカーを追いかけて行きたいなと思っております。
その中で、昨年末に出した湘南ベルマーレの梅崎司選手のノンフィクションストーリーである『15歳サッカーで生きると誓った日』が大変大きな反響をいただき、その本を題材にした講演会も増えました。正直、僕の中でも価値観が大きく変わる本でした。普段、あまり自分の本についてこういう場では語らないのですが、今回はちょっと多くの人に読んでもらいたい、サッカー選手としてではなく、人として感じてもらいたいと強く思って作った本だけに、この場を借りてお伝えしたいと思って書かせてもらっています。
梅崎司という選手をご存知の方も、ご存知はない方もいると思います。彼は長崎県出身で、高校入学と共に大分トリニータUー18へ入団し、プロとなり、プロ4年目となる2008年に浦和レッズに移籍。そこから10年間プレーをし続け、昨年はACL優勝を経験。今季から湘南ベルマーレに完全移籍をしました。
正直、日本代表経験も1試合で、昨年は怪我もあり、浦和ではレギュラーではありませんでした。サッカー選手としては正直メジャーではありませんが、彼のこれまでの人生は壮絶で、いろんな困難が立ちはだかりながらも、一つひとつそれを乗り越えて歩んできました。
生まれたときから父親が母親に暴力を振るう『面前ドメスティックバイオレンス』にさらされ、自らを否定して来た父親に反骨心を抱きながらも、必死で自分の味方になってくれる母親に笑顔を与えようと、プロになるために必死でサッカーに打ち込んでいました。
梅崎選手自身に直接的な暴力はなかったにせよ、面前でこの世でたった1人しかいない実の父親が、実の母親を容赦なく殴り、ここでは表現できないような壮絶な暴力を目の当たりにする。そして、それが日常化していた現実。
(続く)
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