2種(高校生)
高円宮杯U-18プレミアリーグEAST第14節 高体連対決を制した青森山田高校、後期初白星
2025年09月23日
9月21日(日)、青森山田高校グラウンドで行われた高円宮杯U-18プレミアリーグEAST第14節。選手入場時にはプレミアリーグの価値を上げる取り組みの一環として、第10節に続き2度目となるエスコートキッズが行われた。
昨年度の高校選手権王者である前橋育英高校との高体連対決。青森山田は追い風を味方につけて、立ち上がりから試合を優位に展開した。開始15分、MF15藤原栄之郎のコーナーキックから、DF4月舘アブーバクルがゴールへと押し込んで先制に成功。
その後も左右のコーナーキック、ロングスローと、立て続けにセットプレーからゴールに迫るも追加点には至らず、1-0のまま後半へ。
57分、青森山田はMF14今田匠のコーナーキックから、再び月舘のシュートがゴールネットを揺らしリードを2点に広げる。その後オウンゴールで1点差に詰められたものの、68分には藤原のフリーキックにより再び2点差に。さらに83分にはMF16杉山大起が右サイドからドリブル突破し、FW9深瀬幹太のゴールで4ー1とした青森山田は待望のリーグ後半戦初勝利を挙げた。
ここまでリーグ全試合フル出場も、無得点だった月舘汰壱アブーバクル。センターバックでコンビを組むDF5大場光翔が既に3得点をマークしていることは「どうしても意識してしまうところだった」という。「絶対点を取りたい、山田のセンターバックである限りセットプレーで点を取れないと」という思いを胸に練習を重ねてきた成果が見事に形となった2ゴール。「次も点を取れるような準備を、サッカー以外の日常からもしていきたい」と誓った。
1点を返された後の68分、フリーキックを直接相手ゴールに沈めた藤原栄之郎。
「風が吹いていたのでそれを利用すれば決まるかなと思って、狙っていました。結果が全然出ていなかったので、決まって良かったです」と、第5節以来となるゴールに笑顔を見せた。
エースストライカー・深瀬幹太はこれで8得点目。チーム内得点王であり、リーグでも現在2位タイにつけている。
「自分はセットプレーからの得点が多いですが、セットプレーはもちろん、流れでも取って、トップに追いつけるように頑張りたい」と話し、貪欲にゴールを狙う。
昨年からプレミアリーグで経験を積んできたMF7長谷川滉亮。3年生となって開幕から4試合先発するも、怪我で長くピッチから遠ざかっていたが、リハビリを経て後期から復活。
「チームのみんなが全員で戦っている姿を見て、自分はリハビリを頑張れたし、早く復帰したいという気持ちがありました。支えてくれた人たちへの感謝の気持ちを忘れずに、早く怪我を直してピッチで恩返しをしたいという気持ちで頑張っています」
開幕当初は先発出場を続けていたFW11桑原唯斗だが、第5節からはベンチスタートに。それでも夏からコンディションを上げ、推進力を買われてこの試合で先発に復帰すると、フル出場を果たした。
「去年は怪我で出られなくて、前期も0-1で落としていて、勝つならここしかないと思って全力で出し切りました」
GK1松田駿と共に前橋FCから「一緒に前橋育英を倒そう」と青森山田への進学を選択した桑原。この日ついにその思いが叶えられた。
試合後のグラウンドに広がった仲間たちの輪、その中心に立ったキャプテンの松田駿。
昨年から守護神としてチームを背負う責任を人一倍感じ、悔しさを噛み締め続けてきたこの2年間の思いが、涙と共に溢れ出た。
「ずっと結果が出なくて悔しかったけど、今日みんなのおかげで勝てて、あらためて思いました!
山田に来て良かったです!!」
その熱い言葉に仲間たちは歓喜の雄叫びをあげ、グラウンドには勝利を祝うWe are Greenの歌が高らかに響き渡った。
試合後、正木昌宣監督は「後半戦が始まって2試合勝ちなしで、若干上から離されて、下のチームが勝って詰めてきたという状況で、非常に勝点3が欲しかったゲームでした。前橋育英のグラウンドで育った選手が今日スタメンで3人出ていましたし(松田、桑原、2年生のMF20小澤丈)、いろんな人たちに思いを見せるゲームにしようということでスタートしたなかでの勝点3でした」と振り返った。
互いの意地がぶつかる高体連対決。さらに対前橋育英戦は昨年1分1敗、今年も前期の対戦は0-1で敗れている。8月に行われた地元開催の青森ユースサッカーフェスティバルでも決勝で対戦し苦杯を喫しているとあって、「相手は今高校選手権のチャンピオンですし、ここで苦手意識を作りたくなかった」と、強い思いを持って臨んだ一戦だった。
「夏の強化のポイントとして得点というところがあって、前半戦で18点という(得点数には)ちょっと物足りなさもありました。ここ3試合でこれで7得点という成果は出ていますけども、ただやはり3試合連続失点しているという事実もある。ゴールは評価できますけども、(失点)ゼロでいくなかでのゴール数を増やしていきたい」と課題を口にした正木監督。
2試合連続のホームゲーム、次節は東京ヴェルディユースとの対戦となる。J1内定の守護神・松田駿が牽引し、リーグ最少15失点と堅守を誇る、6位の青森山田。現在得点王のMF仲山獅恩を擁し、リーグ最多の33得点を挙げている4位のヴェルディユース。この一戦は、今季のプレミアリーグEAST屈指の盾と矛対決となるだろう。
次節に向けて、「上位を倒していかないと上は目指せない。ここで満足せず、次のゲームに向かってしっかり準備して、また勝点3を取れるように頑張りたいです」と指揮官は意気込みを語った。
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