2種(高校生)
高円宮杯プレミアリーグイースト第7節『青森山田高校vs鹿島アントラーズユース』マッチレポート
2017年07月04日
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高円宮杯プレミアリーグイースト第7節、開幕戦を落として以降は、破竹の5連勝で首位を走る青森山田高校(以後:青森山田)は、アウェーで鹿島アントラーズユース(鹿島)と対戦した。
青森山田にとって鹿島は、過去2年間で1度も勝ったことがない因縁の相手。しかも、そのすべての試合が0−0、1−1、0−1と2点差以上ついたことがない。
「鹿島と戦うといつもそういう激しいゲームになる」と黒田剛監督が語ったように、堅守と90分間落ちない運動量を誇る鹿島との対戦は、今回も激しい消耗戦となった。
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立ち上がりペースを握ったのは青森山田だった。14分、MF壇崎竜孔が積極的な仕掛けから、シュートを放つ。これはDFの伸ばした足に当たったが、ボールはゴールに向かうと、それに反応したのはFW中村駿太。身体を目一杯伸ばして、正確に頭で捉えると、ボールはゴール左サイドネットに突き刺さった。しかし、次の瞬間、主審の笛が鳴り、オフサイドの判定。ノーゴールに終わった。
さらに20分にも、MF郷家友太の左ロングスローをニアサイドでCB簑田広大がファーサイドへ向けてヘッドですらすと、そこに待ち構えていたのは中村だった。競り合いに勝ち、滞空時間の長いヘッドで合わせゴールに突き刺した。だが、1本目同様にまたも判定はオフサイド。これもゴールには至らなかった。
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この2本のオフサイドは、鹿島に勢いを与えてしまった。無失点で進んだことで、鹿島の守備陣はより固さを増し、球際へのアプローチも激しくなって行く。
すると試合は当初の予想通り、激しい攻防戦の様相を呈し始める。38分と42分に鹿島が高速カウンターでゴールに迫ると、50分には鹿島は縦パス一本でFW金澤蓮が抜け出す。寄せに行ったCB小山内慎一郎が身を投げてシュートブロックを見せると、そのこぼれ球を再び金澤にシュートを打たれるが、GK坪歩夢がビックセーブを見せてピンチを防いだ。
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11時キックオフのため、徐々に暑さが増す中、試合終盤に入っても両チームの運動量は落ちなかった。50分を過ぎると、共にチャンスを作り出せなくなり、中盤や前線での潰し合いに終始した。それでも青森山田は後半アディショナルタイムに右サイドでボールをキープした途中出場のMF東城雅也から、DF鍵山慶司に繋ぐと、鍵山は中央のスペースに走り込んで来た郷家へ、グラウンダーのライナーパスを送り込む。これを郷家が完璧な右足トラップから反転し、フリーになったが、左足のシュートがミートせず、ボールは枠をそれた。
崩しまでは完璧だっただけに、決めたいシュートだったが、常に鹿島のDF陣は足を止めず、ボールに食らいついていた。そのプレッシャーが郷家にシュートの正確性を奪っていたのかもしれない。
そう思うほど、両者の気迫のこもった攻防戦は見応え十分だった。結果は過去2年と同じように2点差以上つくことなく、0−0のドロー。
「さすがは鹿島。本当に良く戦うチーム。うちも正直、駿太のゴールがオフサイドになったりと、残念な部分もあったが、良く最後まで失点をせずに戦ってくれた」。
黒田監督も鹿島との一戦の重さ、因縁を良く理解しているからこそ、敵地で勝ち点1を掴みとった選手達を讃えた。次なる相手は2位の清水エスパルスユース。
「ホームでキッチリと勝って、首位をキープして、その流れでインターハイも挑みたい」。
首位決戦のあとに、プレミアをもう1試合消化し、30日にインターハイ初戦を迎える。おそらく初戦の相手は東福岡、そこを突破しても31日の3回戦の相手は前橋育英になるだろう。
「プレミアリーグが続くようだね」と黒田監督も苦笑いしたように、7月は青森山田にとって、重要かつ厳しい戦いが続く。そこを乗り切るためにも、鹿島戦で見せたタフさを持って、連戦に臨んで行く意気込みを見せる。
次節
7月9日(日) 11:00 青森山田高校(ホーム) vs 清水エスパルスユース
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