2種(高校生)
青森山田高校セカンド、3試合ぶりの勝利で首位キープ<高円宮杯U-18プリンスリーグ東北第11節>
2021年07月11日
7月10日(土)、青森山田高校セカンドはホームに遠野高校を迎え、高円宮杯U-18プリンスリーグ東北第11節を戦った。
現在首位に立つ青森山田セカンドだが、ここ2試合は白星がなく、足踏み状態が続く間に2位・尚志が勝点差を2にまで縮めてきていた。得失点差では尚志が大きくリードしているため、今節の結果によっては順位が逆転する可能性もあり、ここは何としても勝点3が欲しい一戦である。
遠野との前期第2節の対戦では、開始3分に先制した青森山田セカンドが4-0で勝利。しかし現在最下位ながら、前節でベガルタ仙台ユースを相手に4-0で勝利している遠野は決して油断できない相手だ。
前半、互いにチャンスを生かせず膠着状態が続いたが、徐々に雨が強くなる中、39分にDF②中山竜之介のゴールで青森山田セカンドが先制。さらに45+2分にはMF⑪小島茉那斗が追加点を挙げ、2-0で折り返す。
後半さらに攻勢に出る青森山田セカンドは81分、途中出場のFW⑲武田陸来のゴールでリードを3点に広げ、守備でも最後まで隙を見せず、3-0で試合終了。
ここ2週間はプレミアリーグ・プリンスリーグ共に白星から遠ざかっていただけに、大きな価値ある勝点3となった。
この試合で無失点に抑え勝利に貢献したGK①鈴木尋。今季はここまでプリンスリーグ10試合にフル出場している。
「尚志戦では2-0から逆転され3失点して、前回の聖和戦でも2失点してしまい、失点数が多かった中で、ディフェンスラインでもどう修正するのか声を掛け合って、常に無失点で行くという気持ちを持ちながら練習に取り組んできていました。今週負けたら優勝も遠くなり、チームとして流れが良くなかった中で、絶対に勝つという気持ちで今日の試合をして、失点0で抑えられて攻撃陣も3点取ってくれたので、本当に良かったと思います」
ここ2試合は悔しい思いをしただけに、この日の勝利に安堵を見せながらも、鈴木は課題も口にした。
「シュートを打たせない守備、ゴールを隠すというのが山田のキーワードなので、しっかり徹底してやっていましたが、今日失点は0だったものの、シュートを打たれるシーンも多かったので、そこはまだ課題が残っているなというのは感じました」
FC東京U-15深川からU-18への昇格が叶わず、「反骨心というか、絶対に見返してやるという気持ちで青森山田を選びました」。雪深い青森の地で、厳しい3年間になることを覚悟の上で、高いレベルでサッカーをして成長したいという強い思いがあった。
高いシュートストップ能力でチームの窮地を救い、飛距離のあるパントキックは攻撃の起点ともなる。今季ここまでプレミアリーグではサブGKであり、まだ出場機会はない。今はプリンスリーグで実戦経験を積み重ねながら、鈴木はさらなる成長を追い求め、プレーに磨きをかけていく。
「プリンスだけでなくてプレミアにも関わっていけるように、インターハイも試合に絡んでいけるように。まだ出られるチャンスはあると思うので、諦めないで最後までやっていきたいと思っています」
「味方を信じて走ったらボールが来たので、ちゃんと決めなければと思いました」
前半終了間際に2-0とするゴールを決めたMF⑪小島茉那斗。主力選手の多くがプレミアリーグの登録メンバーでもある青森山田セカンドの中で、Bチームの小島はこれまでプリンスリーグでも先発出場の機会は少なく、これが3試合目だった。
「他のみんなはAチームでやっていますが、自分はBチームで、レギュラーになれなくてずっと悔しい思いで日々やってきました。たまたま自分の番が来たので、ここで見せないとこの先やっていけないと思い、今日は人一倍頑張ろうと思ってやっていました」
走力を活かし右サイドを果敢に駆け上がり続けた小島は、「後半になると疲れて凡ミスも増えてきて、この程度じゃまだまだAチームにも絡んでいけないし、プリンスのスタメンでも出られないと思ったので、今日はちょっと、(自分の出来としては)いいとは思えなかったです」と反省を込めて試合を振り返るも、「みんなも走ってくれて、ゴール前でも体を張って守ることができていました。プリンスのメンバーだけでなくサポートしてくれたみんなも一丸となっていたから、今日は無失点で大事な勝点3を取れたんじゃないかなと思います」と、勝利に声を弾ませた。
湘南リーヴレ・エスチーロJr.ユース出身。青森山田入学後は、怪我などもあり一番下のチームに落ちたこともあった。それでも諦めず努力を続け、今はBチームでキャプテンを務める。目指すは、BからAへ、プリンスリーグからプレミアリーグへのステップアップだ。
「地元に貢献し、小さい子もみんな憧れるようなサッカー選手になりたい」
そう将来の夢を語る小島は、願いを叶えるため走り続ける。