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2種(高校生)

青森山田高校が16年ぶり2度目のインターハイ制覇

2021年08月29日
「米子北さんの徹底度が違いましたね。2トップのスピードもそうですし、セカンドボールを確実に拾ってくる。仲間を信じて、チームのやるべきことを信じて、それを徹底してくる。これが怖さ。1発のチャンスに対する彼らの執着心を感じたし、後ろの人数はどんな時も減ることはなかったし、最後のところもチャレンジ&カバーを本当に徹底してきた。風も苦しかったけど、最後に得意のリスタートで取れたのは大きかった。よく戦ってくれました」。

試合後、青森山田の黒田剛監督は疲弊した表情を浮かべながらも、劇的な勝利を手にした選手たちを褒めた。

まさに劇的という言葉がぴったりのインターハイ決勝戦だった。一度は米子北に土俵際まで追い詰められたが、そこから選手たちは見事にこの逆境を跳ね除けた。

先制を許したのは10分のことだった。米子北得意の高速カウンターを浴びて、相手の2年生ストライカー福田秀人をCB三輪椋平が倒してしまい、痛恨のPKを献上。これを決められてしまった。

だが、ここから三輪と丸山大和CBコンビ、GK沼田晃季の集中力は一切落ちなかった。むしろ時間が経過するごとに研ぎ澄まされていく。米子北のカウンターケアに細心の注意を払いながらも、積極的にビルドアップをして攻撃に厚みを持たせていく。チャンスを決めきれない焦れた時間帯も、大黒柱のキャプテン・松木玖生とともに大きな声で仲間を鼓舞して、チームを引き締めた。

そして69分(35分ハーフ)、青森山田は途中出場のMF小原由敬のクロスを丸山が気迫で押し込んで土壇場で同点に追いつくと、延長戦でもチームは最後の最後まで集中力を切らさなかった。延長後半1分には相手の大黒柱MF佐野航大のドリブルシュートを三輪が気迫のスライディングブロック。4分にも佐野に強烈なシュートを浴びるが、これはGK沼田がビッグセーブを見せた。
そして、時計の針が延長後半10分を指し、アディショナルタイムも表示された4分を経過しようとしていた時、青森山田は左CKを獲得する。ゴール前に丸山、三輪が集結し、鋭い眼光を光らせた。キッカーのMF藤森颯太も中の様子に目を光らせていた。

藤森のキックが放たれた瞬間、ニアサイドには丸山が飛び込み、そこにドンピシャのボールが届いた。「ここで決めたら(優勝は)確実だと思った」と丸山の渾身のヘッドがゴール右隅に吸い込まれた直後にタイムアップのホイッスルが鳴り響いた。

全員で喜びを爆発させた青森山田が、16年ぶり2度目のインターハイ制覇。





「前回は決勝こそ4-1(那覇西)でしたが、それまでは僅差のゲームばかり。今回は逆の展開で決勝が一番苦しかった。だからこそ、また違った味ですね」。

黒田監督がこう口にしたように、やはり全国の頂を取るには相応の困難がある。初戦を3−0で飾り、8-0、8-0、5-2、4-0と圧倒的な数字(最多得点記録を更新)で勝ち上がってきた中で、初めて先制を許して終盤を迎えるという苦しい展開を全員で勝ち切った優勝だからこそ、大きな意義がある。

「米子北のPKは僕のクリアを大きくしたかったのにクリアが弱くて、それがスローインになってそのリスタートからPKが生まれた。僕の責任。サッカーをやってきて全国大会を経験したことがなかったので、3年目でこうして優勝できたのは嬉しい。頑張ってきて良かった」(丸山)。

青森山田という看板は横綱でも、その中で戦っている選手は苦しみながらも努力を重ねてその座を掴み取ったチャレンジャーの集団。それを最後の最後で見せつけたことで、青森山田はもうワンランク上のステージに進んだのではないか。そう思わせるインターハイだった。


text 安藤隆人



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