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大学サッカー通信

第1回 大学サッカー通信~中井建太(青森山田高校→慶應義塾大学4年)~

2017年05月15日
 大学サッカーで活躍する青森県ゆかりの選手に焦点を当て、2015年、青森ゴール本誌に短期掲載されたコラム「大学サッカー通信」。このたびWeb連載として帰ってきました!
 青森山田高校で活躍した選手など、卒業生のその後が知りたい!という読者の声が編集部に多数寄せられています。そこで、高校を卒業し大学サッカーという舞台に飛び込んでいった彼らが現在どんな活躍を見せているのか、毎月1回、お届けしていきます。
 また、大学サッカーに打ち込む「この選手の記事が見たい!」、「自分をぜひ取り上げてほしい!」というリクエストも受け付けています。どしどしお寄せください!
第1回 中井建太 (青森山田高校→慶應義塾大学4年)

なかい けんた/東京都出身。FCトッカーノから青森山田高校へ。プリンスリーグ東北を戦うセカンドチームで主にプレーし、闘志溢れるプレーと声でチームを牽引した。プレミアリーグではレギュラーの座を勝ち取ることはできなかったが、最後の選手権では全2試合で途中出場を果たした。
青森ゴールVol.23、24、26号にインタビュー掲載。
◎5月14日・第5節・慶應義塾大VS筑波大

 開幕から3連勝を飾るも、前節は流通経済大に1−3の今季初黒星を喫した筑波大と、前節に専修大に勝利をして2勝2敗となった慶應義塾大の一戦は、立ち上がりから激しい攻撃の応酬となった。

 先にビッグチャンスを迎えたのは慶應義塾大だった。25分、MF杉本崇太朗がペナルティーエリア内から強烈なシュートを放つが、これはバーを叩いた。0−0で迎えた後半は、さらに激しい攻防戦となり、67分には筑波大がビッグチャンスを迎える。左サイドでボールを受けたMF西澤健太のクロスを、ジュビロ磐田入団が内定しているFW中野誠也がヘッドで合わせる。これを慶應義塾大GK上田朝都がファインセーブを見せると、こぼれをMF北川柊斗が狙うが、これも上田がビッグセーブ。ピンチを防いだ。すかさず慶應義塾大も70分に右CKからCB岩崎湧治がヘッドで狙うが、これもバーを直撃。

 一進一退のまま試合は進み、後半アディショナルタイムには筑波大がカウンターでゴールを狙うが、筑波大が見せた2本のカウンターはそれぞれ左サイドバックの北城俊幸と、右サイドバックの中井建太の青森山田コンビによって阻まれた。両者一歩も譲らず。白熱の攻防戦はスコアレスドローで決着をした。
慶應義塾大ソッカー部4年、DF中井建太(青森山田高校出身)
『青森山田→慶應義塾大ライン』のパイオニアが、ついに黄色のユニフォームを身に纏い、チームに貢献するときがやってきた。

 彼がここに来るまで、青森山田サッカー部から慶應義塾大に進んだ選手はいなかった。しかし、「どうせやるなら、サッカーだけでなく、勉強もしっかりとやりたかった」と、中井は AO入試で慶應義塾大に挑み、見事に入学を果たした。
 2年時に Aチームに入ることが出来たが、ベンチ入りを果たすのみに留まり、昨年までの2年間、1部リーグでの出場は1分たりとも無かった。最終学年を迎えた今年も、第3節まで出番は訪れなかった。
 その間に、1学年下のFW松木駿之介が中井の後を追うように慶応大に入学し、1年からレギュラーを掴みとった。さらに昨年にはDF北城俊幸も入学。北城は今年に入ると、左サイドバックとしてレギュラーの座を掴みとった。

「後輩達がみんな先を越して行った。本当に悔しかったけど、青森山田の仲間として、彼らが出るのは嬉しかった。だからこそ、同じピッチに立つために、普段の練習から絶対に試合に出ることを考えて取り組んだ」。

 彼にとっては我慢のときだった。出られない間、何度も黒田剛監督や正木昌宣コーチに胸の内を相談した。
「監督も正木さんも『焦るな、元々お前は時間をかけて、徐々に上がって来る奴だから、今は我慢しろ。必ず4年生になったら出番が来るから』と言ってくれました」。

 恩師達の言葉を励みにして、信じてその時を待った。すると第4節の専修大戦で、待望の1部リーグデビューの時が訪れた。2−1のリードで迎えた後半アディショナルタイム3分、左サイドハーフとして投入された。僅か2分程度の出場だったが、彼にとっては大きな第一歩だった。

 そして迎えた第5節の筑波大戦。ピッチサイドでアップをしていた彼に声が掛かったのは、0−0で迎えた75分過ぎだった。両チームともに決定的なチャンスを生み出し、まさに一瞬の隙も許されない一進一退の攻防の最中だった。
 77分、中井は右サイドバックとして投入されると、守備面で大きく貢献をした。鋭い寄せと、球際の激しさを駆使し、相手のサイドアタッカーの突破を封じ、スコアレスドローの決着に貢献をした。
「我慢して来た甲斐があったと思います。少しずつですが、出番を得られるようになった。もっと長く使ってもらえるように、これからもっと頑張りたい」。

 我慢の先に見えた光。恩師達の言葉は本当だった。ようやく光の当たる場所に入り込むことが出来た中井建太は、「3人でピッチに立ちたいし、スタメンで出たい」という夢を大きく膨らませ、大学サッカーラストイヤーをひたすら邁進していく。
 
取材・文 安藤隆人
 

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