2種(高校生)
高円宮杯U-18プレミアリーグEAST第8節 青森山田高校がホームで大勝、首位独走!
2023年07月04日
7月2日(日)、青森山田高校グラウンドで高円宮杯U-18プレミアリーグEAST第10節が行われ、青森山田高校は昌平高校(埼玉県)と対戦した。
ここまで6勝2分1敗で首位を独走する青森山田と、今季からプレミアリーグ初参戦の7位(前節終了時)昌平。
昌平を指揮する藤島崇之監督は順天堂大学を卒業後、青森山田高校コーチ、青森山田中学の監督を務めていた経歴があり、昌平のスタッフにも青森山田OBがいる。青森山田の正木昌宣監督は藤島監督について「日本で一番意識している指導者です」と語り、1歳違いの二人は駆け出しの指導者として青森山田で3年間にわたり苦楽を共にした仲だった。
昌平がプレミアリーグに昇格したことでついに実現したこの一戦を見届けようと、二人から指導を受けた卒業生や当時を知る人々も集い、観客数は今季のホームゲームで最多を更新する700人を記録した。
試合開始と同時に青森山田が主導権を握り、開始11分の先制点を皮切りに前半だけで3得点。個人技に勝る昌平の攻撃を前半はシュート1本に抑え、青森山田が3-0と圧倒し前半を終える。75分に1点を返され、7試合ぶりの完封勝利こそ成らなかったものの、後半2点を追加し5-1で勝利した青森山田は勝点3を獲得。首位をキープした。
正木昌宣監督は「前半から良い守備ができていて、意図する形で点も取れたので、前半は本当に良かったなという気はします。ただ、後半の失点が。6試合失点が続いていたので、失点0でいきたいというところがあったのですけれども、最後に失点してしまった。そこは次に向けて改善しなければいけないなとは考えています」と振り返り、大勝に満足することなく1失点を課題に挙げた。「後半ちょっとお互い間延びして、カウンターの応酬みたいになったのですけれども、そのなかでうちが人数をかけたときに取られ方が悪く、スペースを使われるというシーンが多い時間帯にああいう失点をしてしまった。ゲームの流れも読みながら、きちっとああいうところで速攻なのか、遅らせるのか、ということも判断しながらやれるようにしたい」。
それでも、開幕戦に続く大量5得点はチームにとって確かな手応えとなった。「今年はどんな形でも点が取れているというところが、ひとつの強みでもあります。米谷はここ何試合か点が取れていなかったので、やはり彼が点を取るとチームも勢いに乗る気がします。攻撃の形はカウンター、崩し、セットプレーと、いろいろ練習していた形はできたので、そこは良かったと思います」。
ここ3試合得点がなかったFW11米谷壮史が2得点。「彼が点を取るとチームも勢いに乗る」と正木監督が言うように、11分、21分と、米谷の立て続けのゴールでチームは勢いづき、試合を優位に運んだ。
これで通算10得点。リーグ得点ランキング1位タイとなった。
この試合に人一倍強い思いで臨んでいたであろう、MF10芝田玲。
青森山田中に転校する以前は昌平の下部組織FC LAVIDAでプレーしていた彼にとって、昌平のほとんどの選手が元チームメイトだった。
U-18年代最高峰の舞台で旧友たちと真剣勝負をする喜び、彼らに負けたくないという強い思いをプレーで表現。34分には開幕戦以来となる今季2点目を決めた。
2年生でただ一人レギュラーを務めるMF7谷川勇獅が、プレミアリーグ初得点を記録。1点を返されたあと、試合終盤の苦しい時間にとどめを刺す5点目を決めた。
「もともと得点力は彼の強みですので、ああいう形できちっと点を取れたのは大きい」と正木監督。
今季開幕からフル出場を続ける、左サイドバックのDF6菅澤凱。50分には4点差に突き放すゴールも決めた。
「(今日の試合は)入りがすごく良くて、前半で3点決めきったというのは、すごくチームとしても成長した部分だと思いますし、圧倒できた部分はありましたが、昌平さんの技術もすごく高くて、後半に疲れや、自分たちの守備の場面でズレが生じてきて、相手に流れを持っていかれてセットプレーで失点をしてしまっているというところはすごく、勝ったこと以上にフォーカスしないといけない部分だと思います。失点が続いているのはディフェンス陣の自分たちに責任があると思うので、もっと練習で意識しないと、隙となってこうやって失点してしまう。そういう面ではまだまだ、課題しかないと思います。
(この試合に向けては)玲が、勝ちたいという気持ちを練習からしっかり出してくれて、自分たちも『絶対に高体連相手には負けない』という気持ちがあったので、すごく気持ちの入った練習ができていたと思います。でもまだ、『もっとできる』というのは自分的にはあるので、もっと今週気を引き締めてやっていきたいと思っています」
青森山田の武器であるロングスローを今季担当しているのがDF2小林拓斗。菅澤と共に開幕からフル出場でチームを支える右サイドバックだ。
「課題は失点のところで、そこだけが良くないところだったと思いますが、得点のほうでは5点取ることができて、いい攻撃とセットプレーで取れたので良かったかなと思います。
昌平高校さんは足元の技術が高くてうまいチームなので、一対一の対応のところで個人では負けてはいけないと思い、そこの準備はしっかりして入りました。立ち上がりのところでは足が全然運べていなくて、抜かれてピンチになってしまったシーンがありましたが、後半ではしっかり足を運んで対応できたかなと思います」
リーグ前半戦を締めくくる次節を終えるとプレミアリーグは中断期間に入り、その後はインターハイに突入する。
7月9日、アウェイで行われる青森山田と6位・前橋育英高校(群馬県)の第11節は、ともにインターハイ出場を決めている両チームにとって、何としても負けられない一戦となるだろう。
「まずは来週の前橋育英戦にきちんと勝ち切って、いい形でインターハイに臨みたい。インターハイに関してはまだ考える余裕がありませんので、まず前橋育英戦に向けていい準備をして戦いたいと思います」(正木監督)
「来週の前橋育英戦に向けて、しっかりチームとして取り組んでいきたい。そのあとのインターハイでまず1冠を獲るためにも、チームとしてはもっと気を引き締めてやっていかないと。初戦の相手も決まり、すごく難しい相手だと思うので、チャレンジャー精神でしっかり一戦一戦、戦っていきたいなと思います」(菅澤)
「春先から3冠という目標を目指してやってきました。来週の前橋育英戦に絶対勝って、いい波に乗ってインターハイでまず1冠目をしっかりものにしたいです」(小林)