2種(高校生)
高校サッカーインターハイ3回戦(青森山田vs明秀日立)
2023年08月01日
取材/写真/文:高校サッカードットコム
7月31日(月)、令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)の3回戦が行われ、カムイの杜公園多目的運動広場Aで、青森山田高校は明秀日立高校(茨城)と対戦した。
1回戦では神戸弘陵(兵庫)を3-1で破り、2回戦では國學院久我山に5-2の勝利。2年ぶりの大会制覇へ、そして3冠(インハイ、プレミア、選手権)へ歩みを進めていた青森山田だったが、その夢は3回戦にして潰えることになった。
この日の3回戦は、当初12時にキックオフ予定だったところ、雷の影響で日程が変更となり、14時半のキックオフとなった。
難しいメンタル状態のなか青森山田は立ち上がりから明秀日立のゴールに襲い掛かった。MF10芝田玲とMF7谷川勇獅のボランチからMF14杉本英誉とMF8川原良介の両サイドにロングボールを送り込みながら攻撃を展開。 FW11米谷壮史は鋭い抜け出しでゴールを狙った。
しかし明秀日立のブロックは粘り強く、なかなかゴールにたどり着くことができないまま試合を折り返す。
さらに後半に入ると、プレスを剥がされて自陣深くまで攻め込まれる場面も増えた。DF4山本虎とDF5小泉佳絃のCBコンビを中心にはね返したが、0-0のまま試合は推移していった。
結局そのまま終盤を迎え、PK戦に突入かと思われた矢先、後半アディショナルタイムの70+3分に青森山田を悲劇が襲った。
1本のロングフィードに反応した相手FW10根岸隼に抜け出されると、ゴールネットを揺らされてしまう。GK1鈴木将永は懸命に飛び出したが、防ぐことはできなかった。
その後、間もなくしてタイムアップのホイッスル。青森山田は0-1で敗れ、3回戦にして姿を消すことになった。
「自分たちの力不足」と悔しさを口にしたのはキャプテンの山本。「デュエルの部分とか本来自分たちがやるべきところで負けていて、攻撃も焦りが出てしまった」と敗因を語り、「プレミア首位ですけど、それは本当の実力ではないと思う。プレミアと選手権の2冠を取るうえで本当に危機感が生まれました」と唇を噛んだ。
同様に「素直に力負けでした」と敗退を受け入れたのは、山本とCBでコンビを組む小泉。涙ながらに「最後のシーン以外は虎とチャレンジ&カバーを徹底できていたけど詰めが甘かったし、セットプレーで決めることもできなかった。自分たちが弱かったということ」と話し、「もっと自分がリーダーシップを取ってやっていきたい」とさらなる成長を誓った。
さらに正木昌宣監督は「冷静にできるところはありました。しかし勝たなければいけないというプレッシャーのせいで、少し攻撃が単調になってしまった」とこの3回戦を振り返る。「1回戦、2回戦とあまり内容は良くなく、やはり失点が気になっていた」と総括。そのうえで「まず一番考えなきゃいけないのは守備のところ。今回の大会をしっかりと分析して、プレミアリーグを戦いたいと思います」と前を向いた。