大学サッカー通信
第38回 大学サッカー通信~住田 将(青森山田高校→東京学芸大学2年)
2020年02月21日
第38回 住田 将(青森山田高校→東京学芸大学2年)
すみだ しょう
愛知県出身。名古屋グランパスU15、U18と進み、高校3年時に青森山田高校へ転入。
U-15日本代表、U-16日本代表。
青森山田でレギュラーの座を掴むことは叶わなかったが、多くの試合で途中出場。恵まれた体格とJ下部組織仕込みのテクニック、正確な左足のキックを武器にセットプレーのキッカーも務めた。
取材日:2019年10月19日(土)
@拓殖大学グラウンド
掲載号VOL.49、50
高校3年時、名古屋グランパスU18から青森山田高校へ転入した住田。「プロになる」という夢を叶えるため、大学サッカーで奮闘する日々を送っている。
―東京学芸大学に進学した理由は何だったのでしょうか?
関東リーグというレベルの高いところでサッカーをやりたいというのが一つありました。(青森山田高校の)黒田監督や正木コーチと話した時に、先輩の(原山)海里さん(グルージャ盛岡)が学芸にいたということもあって、話をもらいました。自分で調べたり、海里くんに大学の雰囲気とかを聞いたりして、いいなと思ったので決めました。地元は名古屋ですが、両親が2人とも関東出身で、兄も高校から関東でサッカーをしていたんです。関東がレベルが高いというのを聞いていたので、自分も地元に帰るというよりは、関東でやりたいなというのはありました。
―東京学芸大学は、どんな大学ですか?
学芸は教育大学なので、先生を目指す人もけっこう多いんです。抽象的ですが、すごくいい人が多いんです!学科もそうですし、サッカー部の先輩とか後輩もそうですけど、いい人が多いというのはすごく感じていて、温かいし、居心地がいいんです。やんちゃな人があまりいない。でも、そこが馴れ合いになっちゃうというか、優しいだけで終わってしまうと、サッカーではマイナスの面も出てきてしまう。良いところでもあるけれど、気を付けないといけないな、と。そこはしっかり分けて、オンとオフでやらなきゃいけないなっていうのは、最近思っています。
―勉強とサッカーの両立はいかがですか?
勉強はけっこう難しいです。1・2年生は授業数も多いですし。周りに頭が良い人が多いので、ついていくのがやっとと言えばやっとなんですけど、普通に授業を聞いて、テスト前にテスト勉強をしていれば大丈夫です。今のところ、単位も落としていないので。
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―入学してから今までの大学サッカー生活はいかがですか? 入部してすぐの開幕戦は、ベンチに入れませんでした。初めてベンチに入ったのが3試合目で、試合に出られたのが4試合目でした。先輩の怪我もあって、たまたま試合に出た時にうまく自分がプレーできたということもあって、そこから掴めたのが大きいのかなと思います。去年から試合に出させてもらっているので、自信がついてきた部分もあると思います。今のところ、試合に出るということに関しては、順調だったかなと思います。もちろん、入部する時は開幕から試合に絡めるようにというのは目標にしていましたけど、入部してトレーニングを積んでいく中で感じた感覚では、4試合目で出られたというのは、思ったよりチャンスが早くきたかなというのはありました。準備しておいて良かったなと思います。
―高校サッカーと大学サッカーの違いを、どのようなところで感じますか? 大学に入った当初は、やっぱりスピード感とかフィジカル的な要素は、大学生の方が強いなと感じました。スピ―ド感は練習とかで慣れる部分もあると思うんですけど、自分はそんなに体が強い選手ではないので、準備を早くするとか、パスを出してもう1回受ける、出して動くとか、まともに当たるのではなくて、キックなど自分の良さを出していければいいなという風に考えて、プレーしていました。
―今、努力していることはどのようなことでしょうか? 去年から試合に出させてもらっているので、チームを引っ張るという自覚もしっかりと持ちたいです。学芸は応援がすごいんです。アップの時から大きな声で応援してくれて、一体感を感じるすごく良いチーム。それを力に変えたいです。メンバーを外れて悔しい思いをしている仲間も、しっかり応援してくれているという責任感もしっかり持って戦うことをまず第一に考えて、その上でプロになるということを考えたいです。得点やアシストという目に見える結果も、もっと求めてやっていきたいなというのはあります。去年は試合に出て、ついていくのに必死というか、自分のことで精いっぱいだったんですけど、チームを勝たせるパスやゴールに絡めるようにプレーをしたいなと感じています。
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―青森山田高校で過ごした1年間で得たこと、今活きているのはどのようなことでしょうか? 自分はずっとJの下部組織で育ってきたので(名古屋グランパスU18)、高体連とJの違いをもろに感じられました。それは自分にとってすごくプラスなことです。Jはどちらかというと、技術的なところで相手を上回るというのがあるんですけど、青森山田は、寮生活を通してもそうですし、サッカー部の活動を通してもそうなんですけど、人としての部分は少し成長できたというか、自分の軸として形成できたのはあるかなと思います。
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取材日は残留争いをしていた東京学芸大学。「とにかく残留したい」と語っていた住田だが、チームは降格を余儀なくされてしまった。しかし、新チームには頼もしい後輩が入ってくる。全国高校サッカー選手権大会で準優勝を果たした母校から、後藤健太が入部するのだ。「1年目から試合に出て、関東2部復帰を果たしたい」と語っていた後藤とともに、関東2部復帰を果たし、目標であるプロのサッカー選手になるべく、住田の活躍を期待したい。
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