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大学サッカー通信

第45回 大学サッカー通信 ~ 小松 慧( 青森山田高校→常葉大学 3年)~

2021年04月15日
第45回 小松慧 (青森山田高校→常葉大学 3年)





こまつ けいと
埼玉県出身。FC東京U-15深川から青森山田高校へ進学。高校3年時には、「炎のストライカー」として選手権全試合に途中出場し、優勝に貢献した。

取材・写真・文:安藤 隆人

取材日:2021年3月4日
第35回デンソーカップチャレンジサッカー熊谷大会


関東選抜Aの優勝で幕を閉じたデンソーカップチャレンジ熊谷大会(以下・デンチャレ)。昨年は新型コロナウィルス感染症拡大の影響で中止となり、今年は九州ではなく埼玉県で行われたデンチャレにおいて、「自分の人生の変える場所」と大きな意気込みを持って臨んでいた1人の男がいた。

東海選抜のエースである常葉大のFW小松慧は、青森山田時代に『炎のストライカー』として選手権優勝に貢献。静岡県にある常葉大に進むと、元日本代表のMFとして名を馳せた澤登正朗監督の下で、着実に力をつけてきた。

「選手権で活躍して、文字通り鳴り物入りで入ってきたのですが、そこはまず彼の鼻をへし折ることから始めました。そこで彼もきちんと考えて向き合ってくれたことで今の彼がある。プロ向きの選手だと思っているので、きっかけ次第で大きく飛躍すると思う」。

今大会、東海選抜の監督を務めた澤登監督は彼をエースとして選出し、初戦の中国・四国選抜、第二戦の関東C・北信越選抜戦と2試合連続でスタメンに起用をした。

初戦は同じ青森山田、常葉大の後輩である金賢祐と2トップを組んで、中国・四国選抜のゴールに迫った。17分に右サイドからの折り返しを豪快にゴールに突き刺して、チームに先制点をもたらすと、雄叫びを挙げる彼に対してチームメイトが「ファイヤー!」を連発。高校時代に彼の雄叫びの代名詞であった「ファイヤー!」は大学サッカーでも認知され、変わらぬ熱いゴールへの執着心を言い表していた。

「僕はゴールを取ることだけがサッカー選手として生きていく方法だと思っています。中山雅史さん、岡崎慎司選手のように貪欲にゴールに突っ込める選手は日本サッカー界にとって貴重だと思っていて、希少価値が高い存在だからこそ、僕はそこを目指したい。日本サッカーに必要な立ち位置だと思うし、僕にとってゴールは生きる意義なので、そこは大事にしたい」。

ピッチ上でもピッチ外でもギラギラしたストライカーは、更なる追加点を求めるが、その後はチャンスを仕留めきれず、結果として小松の立ち上がりのゴールが決勝点となって1−0の薄氷の勝利となった。

「この大会に集まる選手たち全員がプロを目指して、かつ多くのスカウトの人たちも来てくれている。勝利も大事だけど、自分の夢への道を掴めるか掴めないかも大事になってくる大会だと思う。自分が1点をとってチームが勝ったからスカウトから声がかかるのかと言われたら、正直ゼロだと思うし、あそこで2点、3点ぶち込めていたら、道は開かれていたのかなと思います」。

試合後、彼はこう唇を噛んだ。彼が言うようにこの大会はすでにプロ内定を手にしている選手がおり、かつお目当ての選手の最終的な確認の場にしていたり、リストアップしている選手をチェックしにきているスカウトもいる。その中で彼はまだ2年だが、より圧倒的な存在感を放たないと、スカウトの目は自分の方に向いてくれない。

2試合連続ゴールをかけて臨んだ第二戦の関東C・北信越選抜との一戦。相手は結果としてこの大会で準優勝に輝いた実力的には格上の相手に、小松は最前線で体を張ったポストプレーや1発の抜け出しでチャンスをうかがったが、ポスト直撃のヘッドを放った以外は、ゴールを脅かすことができず、チームも1−5で大敗。グループリーグ敗退に終わった。

「僕の同期の高卒でプロに行った選手たち(檀崎竜孔、三國ケネディエブス)を見ても、そのチャンスは僕にもあったわけで…。(常にJクラブのスカウトに)見られていたわけで、そこでふるいにかけられて、僕はプロに入れなくて大学に来ている。だからこそ、チャンスは逃したくない。澤登監督からも『それを掴むか掴まないかは自分次第だぞ』と言われているので、掴み切れる選手になりたい」。

自分の人生を変える大舞台では不完全燃焼に終わった。だが、この経験が彼の炎の燃料になるのは何度も見てきた。それはこれからも変わらない。むしろより強烈な炎の燃料が投下されたと言っていい。これから彼が見せる、さらに研ぎ澄まされたギラギラが今から楽しみでならない。彼なら間違いなく、『灼熱のストライカー』になれる素質を持っているからこそ。



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