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「頭脳であり心臓」ヴァンラーレ八戸 MF 金久保 彩 今後の課題は“球際、勝負どころで負けない気持ち”
2017年08月10日
「J3昇格」という明確な目標を掲げるJFL ヴァンラーレ八戸FC。1stステージでは7勝3分5敗、勝点24の5位で終えたものの、2ndステージでは第2節のFC大阪戦、第4節のHonda FC戦と1stステージで敗戦を喫した相手に勝点3を獲得。
第4節終了時点で3勝1分、勝点10で首位に立つ。
リーグ戦は3週間をはさみ8月20日から再開。残す11試合にむけて何が必要なのか、今後のリーグ戦に向けて選手、監督にインタビューさせて頂きました。
「俺のサッカーでいけば頭脳であり心臓」
柱谷哲二監督のこの言葉はボランチを意味する。今季のヴァンラーレ八戸でいけば⑩新井山祥智と㉙金久保彩を指す。主に3-4-2-1を採用する今季の布陣に置いても2人は重要な役割を担っている。
正確なパスと広い視野を武器に攻撃の組み立てを図る新井山に対し、金久保は豊富な運動量と戦う姿勢を武器に中盤での潰し役、果敢な攻め上がりからチャンスメイクと、その役割は多岐にわたる。
今回は金久保に天皇杯での戦いと今後のリーグ戦に向けての話を聞いた。
天皇杯での収穫J1のヴァンフォーレ甲府、J2の名古屋グランパス、Jチームと2試合を戦った天皇杯での収穫を聞くと「格上のチームなので勝負どころでしっかり仕留めてきますし、厳しいところもありました。もちろん、一人ひとりの技術も高いです。でも、チーム力で勝るほうが勝ちますから、そういう部分ではチームが1つになって戦えたことは良かったです」と話す。
2回戦のヴァンフォーレ甲府戦では粘り守備で相手の時間帯を耐えると、CKのチャンスから得た1点を守り切り勝利。
3回戦の名古屋グランパス戦ではCKから先制点を許した0-1の状況で雷のため、一時中断。再開試合では金久保が蹴ったFKから一時は同点に追いつくも、最後は再びCKから勝ち越しゴールを許し1-2の惜敗。
「甲府戦、名古屋戦と共に全部セットプレーの得点、失点だったので、やっぱりセットプレーが鍵だと思います」と改めてセットプレーの重要性を痛感したという。
続けて「やっぱり惜しい止まりだと『惜しかったね』だけで終わってしまうので、勝ち切るということが大事だったと思います。いや~悔しいっすね(笑)」と改めて悔しさを滲ませた。
残すリーグ戦に向けて、必要なもの「1stステージで思ったのは球際の部分が欠けていた。球際、勝負どころで絶対負けないという気持ちが弱かったと思います」
5位で終えた1stステージを振り返る金久保。開幕から6連勝とスタートダッシュに成功したチームだったが、第7節のソニー仙台、第9節のFC大阪戦に敗戦。その後は勝ち切れない試合が続き、下降線を辿った。
それでも、6月21日に行われた天皇杯2回戦のヴァンフォーレ甲府との試合では気持ちを全面に出した粘り強い守備を見せ、J1相手に勝利をもぎ取った。
「それってやっぱり気持ちなんですよ。格上の相手だからそれだけ気持ちが入るんです。だったらリーグ戦でもやれるでしょ!って思いました」と率直な思いを明かす。
選手はいつも通り試合に入っているつもりでも無意識に『J1の甲府が相手』、『絶対勝ってやろう』という思いから“球際、勝負どころで負けない気持ち”が出たと分析する。
「その気持ちをどれだけ長いリーグ戦で出していけるか。やっぱり勝負はそういうところだと思います。そこを残すリーグ戦で出していかないと、上には上がれないと思います」と今後のリーグ戦を見据え、課題を挙げる。
そして「ここから。本当にここからだと思います」と気を引き締めた。
今後の懸念材料は暑さ!?「あとは、暑さが問題ですね。暑いの苦手なんです」と今後のリーグを見据え、アウェイでの暑さを警戒する。
「八戸は本当に涼しすぎます。涼しいを通り越して寒いですからね(笑)。そういう状況でアウェイに行った時にどれだけ踏ん張れるかですね・・・」
今季、サッカー人生で初めてボランチを務める金久保だが、これまでの活躍を見れば、その存在はまさにチームの「頭脳であり心臓」。
高温が予想されるアウェイ戦での金久保の活躍が、チームの今後の行方を左右するかもしれない。
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金久保 彩 かなくぼさい
生年月日:1986年1月11日
出身:茨城県
身長/体重:173cm/72kg
今季、鹿児島ユナイテッドFCからヴァンラーレ八戸に加入。
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