2種(高校生)
第55回 青森県高等学校サッカー新人県大会 男子決勝『青森山田高校vs八戸学院野辺地西高校』
2018年11月05日
11月5日(月)、八戸市ダイハツスタジアムで「第55回 青森県高等学校サッカー新人県大会 男子」の決勝戦、青森山田高校(以後:青森山田)と八戸学院野辺地西高校(以後:野辺地西)の試合が行われた。
昨年と同じカードとなった決勝戦。19連覇を狙う青森山田は4-1-4-1のシステム。両サイドバック・ハーフが高い位置を取り、相手DFの裏を狙い、そこから得点を狙う。
対する野辺地西は4-4-2のシステム。2トップが前線からプレスをかけ、それに連動する形でMF、DFも動きボールを奪い、ショートカウンターでゴールを狙う。
野辺地西のキックオフで始まった決勝戦。試合が動いたのは前半9分。青森山田が自陣でFKを得るとそこからボールを繋ぎ、FW⑲粟津瑠来が野辺地西のペナルティエリアにドリブルで侵入。DF3人に囲まれて潰されてしまうが、このこぼれ球に素早く反応したMF⑪後藤健太が落ち着いてゴールを決めて先制点を挙げた。
この先制点で勢いに乗りたい青森山田だったが、県大会連覇のプレッシャー、会場の空気、野辺地西のハイプレスなど、色んな要素が絡んだせいか、ミスが目立ち、ボールも上手く回せず、ペースを掴めなかった。
野辺地西は失点後も前線から素早いプレスをかけ、青森山田に自由を与えず、球際でも体を張る。声も良く出していて、しっかりと戦かう姿勢を見せた。そして、セカンドボールの奪取率も青森山田を上回り、両サイドからゴールを目指した。
前半17分には青森山田のロングスローのセットプレーからカウンターを仕掛け、DF㉓堀田玲穂が抜け出してシュートを放つが、勢いがなくカットされる。その3分後には、青森山田のミスからボールを奪取すると、FW㉒風穴真苑が左サイドを突破しクロスを上げると、MF⑦工藤拓人が合わせるがゴールを捉えることはできなかった。
前半22分に試合が動く。青森山田のDF②鈴木琉聖が野辺地西のゴール前にロングスローでボールを放り込むと、混戦からDF③神田悠成がループで野辺地西DF陣の背後にボールを送ると、⑲粟津が素早く反応し、ボールをゴールに流し込み2-0とする。
2得点を取った青森山田だったが、試合のペースを握ることができず落ち着かない展開が続くと、この新人チームを指揮する正木コーチが堪らず檄を飛ばした。その檄を受けたのは、試合を左右する重要なポジション、アンカーの⑥古宿理久だ。この檄で青森山田のポゼッションが上がる。DFからしっかりパスを繋ぎ、⑥古宿を中心にボールと人を動かして両サイドへ大きく展開。野辺地西のハイプレスにも動じることなく揺さぶりをかけ、全てのプレーの質も上がり試合を支配する。しかし、前半は2-0のままスコアは動かず終了。
後半が始まると前半の終わり同様青森山田が完全に試合を支配する。MF⑩武田英寿を中心に攻撃を仕掛け、⑲粟津、MF⑤藤原優大、MF⑧浦川流輝亜と、決定機の場面で立て続けにシュートを外してしまう。すると徐々に流れが野辺地西に傾き、MF⑩佐々木大羅の意表を突くロングシュートがバーに直撃すると、野辺地西に勢いが生まれ、完全に試合の流れは野辺地西に。セカンドボールも拾えるようになり、セットプレーのチャンスも多く作り出す。
後半23分には、青森山田のゴール前にロングボールが送られ、㉓堀田が諦めずにGKと競り合いにいくと、GKがキャッチミスをし、堀田がボールを奪う。そして、角度のないところからクロスを上げると、⑦工藤が無人のゴールにヘディングシュートを放つが、惜しくも枠を捉えることができず、決定機を逃してしまった。
その後も一進一退の展開を見せた両チームだったが、スコアは動かず時間だけが過ぎていった。そして、終了間際にコーナーキックのチャンスを得た青森山田が、⑥古宿のクロスにDF④箱﨑拓が頭で合わせてゴールを決める。この瞬間試合終了のホイッスルがなり、3-0で青森山田が勝利。
青森山田高校が19年連続21回目の優勝を果たした。