2種(高校生)
東北高等学校新人サッカー選手権大会、準決勝「青森山田高校 vs 尚志高校」
2019年01月28日
東北高等学校新人サッカー選手権大会、準決勝「青森山田高校 vs 尚志高校」
取材・写真・文 安藤隆人
準決勝・尚志戦
2度目の選手権優勝の余韻が覚めやらない中、新チームは既に動き出していた。
東北新人大会に出場をした新生・青森山田は、初戦で山形中央に4−2で勝利し、準決勝に駒を進めると、選手権準決勝で3−3のPK戦の末に下した尚志との再戦が実現した。
青森山田は武田英寿、尚志は染野唯月の両チームのエースが日本高校選抜合宿のため不在の中、白熱した攻防戦を展開。試合は1−0で青森山田が勝利を収め、2連覇に向けて王手を懸けた。
この試合、不在の武田に代わってキャプテンを務めたのはMF浦川流輝亜だった。彼の2学年上の兄である流樺(現・専修大)も青森山田でプレーしていた。
「兄は横浜FMジュニアユースでユースに上がれなかったけど、青森山田に進んだのですが、Jクラブの下部組織にはないものを吸収出来ると話を聞いて、僕も青森山田でやりたいと思って決断をしました」。
浦川は中3の夏に横浜FCジュニアユースから青森山田中に転校をして来た。1年間、兄と共にプレーし、兄がトップチームのレギュラーとしてピッチに立つ姿を目に焼き付けると、昨年はプレミアリーグこそ出場出来なかったが、今回の選手権では全試合ベンチ入りを果たした。
だが、出場は初戦の草津東戦の5分間のみ。「兄と一緒にプレー出来なかったし、優勝のピッチに立てなかったことも悔しいので、今年は絶対にレギュラーを掴んで、自分たちの代でも優勝を経験したい」と、決意新たに今季に臨んでいた。
尚志戦は【4−1−4−1】の2シャドーの左でプレーをしたが、途中でボランチや左サイドハーフをこなし、それぞれのポジションでポイントとなった。精度の高い左足が武器で、「どのポジションでも出来るのが強み」と戦術理解度の高さと順応力が魅力の彼は、「シャドーやボランチはチームの中でも激戦区なので、そこで切磋琢磨をしながら、与えられたポジションでチームに貢献したい」と、今年はその献身性に磨きをかけようとしている。
「今年のチームは昨年ほど個が強い訳ではないので、チーム力で補いながら戦って行きたいと思います。だからこそ、今日無失点で勝つことが出来たのは大きいです。1−0で勝つのは去年のチームが持っていた強さなので、尚志戦でそれが出来た事は非常に大きいし、そうやって粘り強く勝てるチームにしたいと思います。まずは東北新人大会2連覇を飾って、プレミアリーグやインターハイに弾みをつけたい」。
武田不在だからこそ、自分がしっかりとチームを牽引して、結果をきっちりと出して、好スタートに繋げたい。優勝の喧噪をよそに、浦川は確固たる覚悟を持って、勝負の1年を歩き出した。
■決勝戦
1月28日(月) 12:30 いわきFCフィールド
青森山田高校 vs 秋田商業高校