2種(高校生)
八戸学院野辺地西、プリンスリーグ東北プレーオフに挑む
2022年12月15日
第101回全国高校サッカー選手権青森県大会は、青森山田高校が大会26連覇を達成して幕を閉じた。敗れ去ったチームでは3年生が部活動を引退。次のシーズンに向けて新チームが始動している。だが延長戦まで持ち込み王者を最後まで苦しめた、八戸学院野辺地西高校の戦いはまだ終わっていない。
高円宮杯U-18青森県1部リーグで青森山田高校3rdに次ぐ2位となった野辺地西は今週末、福島県のJヴィレッジで開催される高円宮杯U-18プリンスリーグ東北プレーオフ(参入戦)に挑む。
6年連続の同一カードとなった、高校選手権青森県大会決勝。開始10分で先制されるも、後半同点に追いついた野辺地西。しかし1-1で迎えた延長戦後半8分、ついに青森山田に勝ち越しゴールを許し、今年も青森県の歴史を変えることは叶わなかった。
「そのとき僕がゴールの一番近くにいて、『ここまでやってきたのに…!』という気持ちになりました。最後に自分がチームを救えなかったということが本当に悔しいです」と失点時を振り返ったキャプテンのDF③布施颯大。「次こそは自分がチームを救ってやろうと思っています」と、プレーオフに向けて決意を新たにした。
10番を背負ったMF金津力輝は野辺地西での高校生活を振り返り、「山田に勝つということを目標にして入学してくる人も多く、自分もその一人でした。勝てなかったことは悔しいし心残りですが、山田を倒すために努力してきたことは無駄ではなかったので、この学校を選んで良かったと思います」と話した。
「疲れている状態でも正確にプレーすること」を課題として挙げた金津。二連戦、または三連戦となるかもしれないプレーオフでは、選手権後の1か月強でどれだけこの課題を克服できたかも鍵となってくるだろう。
野辺地西の最後の砦、GK①西野春徹。
「全国的に見ても、この身長でスタメンを張っているキーパーというのはなかなかいないので、逆に注目されるというのもあると思います」
GKとしては小柄な、その身長は167㎝。野辺地西に入学した当初は「(その身長でGKは)無理だろう」と言われることも多かったそうだが、西野はそんな周囲の声を跳ね返して守護神の座を掴んだ。そのために今まで、ありとあらゆる努力をしてきたという。
「全部しましたね。身長がないので上での勝負に負けないように、あとは小さいぶん体を大きく見せなきゃいけない。筋トレもしましたし、足腰の強さや、キックの飛距離を出すというところ、色々なところを伸ばせるように自分なりに自主練をやってきました」
青森山田の怒涛の攻撃に一歩も引かず、好セーブを連発しゴールを守り続けた西野。
「自分は、『身長が低いからキーパーはやれない』という人が出てほしくないんです。身長が低くても全国に行けるんだと今日は証明したかったんですが、あと一歩で負けてしまったので…。でも、これだけ低くても戦えるということを全国に知らしめたいと思っています」
選手権で全国に行くことは叶わなかったが、「後輩たちのために絶対プリンスに参入して、いい形で高校サッカーを終えたい」。その願いを叶えるため、強い思いで高校生活最後の大会に臨む。