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2種(高校生)

青森山田高校 インターハイ3回戦で前橋育英高校に敗戦

2017年08月02日
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厳しい結果を突きつけられた。

青森山田のインターハイは3回戦で幕を閉じた。彼らの前に立ちはだかったのは、黄色と黒の縦縞のユニフォームを見に纏った前橋育英。
昨年度の選手権決勝の相手であり、その時は埼玉スタジアムの大舞台で5−0で一蹴をした相手。だが、結果として彼らのリベンジに遭う形となってしまった。
この試合、立ち上がりは最高とも言える入り方をした。

立ち上がりから右MF浦川流樺と左MF壇崎竜孔の両サイドハーフが高い位置を取って、CB小山内慎一郎、アンカーの堀脩大から配給されるミドルパスに反応をして、チャンスを作り出す。5分にはGK坪歩夢のロングキックをMF郷家友太がヘッドですらし、中央を抜け出したMF田中凌汰がGKとの1対1を冷静に制し、先制点をもぎ取った。

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「一番警戒していた形でやられてしまった」と敵将の山田耕介監督が語ったように、相手に精神的なダメージを与える理想的な形で先制点を奪えたことで、試合はより青森山田ペースとなって行く。

9分、中央でボールを持った堀が、前のスペースに走り込んだ壇崎にパスを送ると、壇崎はFW中村駿太とのワンツーで抜け出した。だが、放ったシュートは相手DFにブロックされる。20分には中村が裏のスペースに抜け出すが、シュートは飛び出して来たGKにブロック。追加点を奪えないまま、時間は過ぎて行った。


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そして迎えた31分、それまで前橋育英に一つも決定機を作り出せなかったDF陣が、与えたセットプレーで一瞬の隙を見せてしまった。左CKをファーサイドでアルビレックス新潟入団内定のCB渡邊泰基に簡単に頭で折り返され、フリーになったCB角田涼太朗に痛恨の同点弾を浴びた。

だが、直後の35分に田中の縦パスを受けた浦川の右クロスから、ファーサイドで壇崎がフリーで受けるが、放ったシュートは前橋育英GK湯沢拓也のスーパーセーブに阻まれてしまった。


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「あのゴールが決まっていれば、流れは変わっていた。あそこは決めて欲しかった」と黒田剛監督が唇を噛んだように、このシーンが試合の変わり目となってしまった。

1−1で折り返したことで盛り上がったのは前橋育英の方だった。青森山田はその逆で、選手達の中にあった不安が徐々に顔を出し始めるようになってしまった。
その予兆は試合前からあった。
「アップから全然だめで、東福岡に勝ったことで少し満足感があったのか、油断があったのかもしれません。アップで一回バーンと大きな声が出ても、その後がシーンとなった。いつもならそこからもっとみんなのテンションが上がるのに、今回はそうじゃなかった」(郷家)。


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東福岡戦の激闘で心身ともに疲労が残り、さらに大きな壁を一つ越えたことで、心のどこかにほっとした気持ちがあったかもしれない。その一方で相手の前橋育英は組み合わせが決まった段階で、3回戦の青森山田との対戦を『今大会最大の戦い』と位置づけて、絶対にリベンジをすべきターゲットゲームとしてここまでやって来た。この温度差が後半になって如実に現れてしまったのだ。

後半、「もう後のことは考えるな!この試合だけ集中しろ」と山田監督からの檄を受けた前橋育英の猛攻の前に、青森山田は完全に受け身に回ってしまった。

後半開始早々の37分に左CKからMF塩澤隼人に逆転弾を浴びると、もう攻めるしか無くなった青森山田の選手に焦りの色が見え始める。46分に田中が鮮やかなハーフボレーシュートを放つが、これもGK湯沢のビッグセーブに阻まれる。

またも逃した決定的チャンス。50分に浦川に代えて、MF佐々木友を、田中に代えて、DF三國ケネディエブスを同時に投入。ケネディをCBではなくFWに置き、より攻勢に出た。しかし、「ケネディが入って前がかりになったときに、僕が前に出過ぎてしまって、中盤がぽっかりと空いてしまった。そこでセカンドを拾われて、また相手の攻撃となる。悪循環に陥ってしまった」と郷家が唇を噛んだように、点を獲りたいアタッカー陣と、失点を恐れたDFラインの間のスペースが間延び。逆に前橋育英に空いたスペースを有効活用されてしまった。
60分には渡邊に左サイドを破られ、最後はFW榎本樹に痛恨の3点目を浴びてしまった。

2回戦の東福岡戦とは全く逆の展開で、1−3にリードを広げられると、それを跳ね返す力は残っていなかった。冒頭で書いたように、昨年度選手権決勝のリベンジをされる形で3回戦敗退を喫した。
「相手のリベンジの気持ちは百も承知で、それを選手達には言って来たけど、実際に味わったのは向こうだから、軽視しすぎている選手達もいた」。


試合後、黒田監督は冷静に敗因を振り返ると、「これを糧にしないといけない。もっと精神的に強いチームになって、どんな相手でも動じないチームにしないといけない」と、その視線はその先を捉えていた。
まずはこれから突入する地獄の夏合宿で、この敗戦の悔しさをさらに心に染み込ませる作業をし、そこから冬に向けてリスタートを切る。

屈辱の敗戦は、最高の成長への原動力になる。それを実現する半年が始まった。



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