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最新号『AOMORIGOAL vol.49』から連載コラムのサッカージャーナリスト安藤隆人が行く!を紹介します!
2017年12月27日
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第19回
第96回全国高校サッカー選手権大会
青森山田高校の展望を紹介
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皆さん、こんにちは! 早いもので、2017年もあと僅かになりましたね。もう師走ですよ、師走。街中がクリスマス一色に彩られ、それが過ぎたら正月ムードへと切り替わる中、高校サッカーは1年で最も熱い時期となっていきます。
そう、全国高校サッカー選手権大会です。今年で96回目を迎えるこの大会に、青森山田は21年連続23回目の出場を果たします。今大会の青森山田は非常に厳しいゾーンに入りました。今回の連載では、今大会の青森山田の展望をしていきたいと思います。
まず、初戦の相手・草津東ですが、僕は滋賀県予選決勝に取材に行きました。そこで1人、3年間を追いかけようと思うほどのタレントを見つけました。1トップに君臨する、1年生ストライカーの渡邉颯太選手です。彼は178cmのサイズで、空中戦が強く、飛ぶタイミングと合わせるスキルが高い印象を受けました。さらに動き出しも鋭くて、ボールも運べます。中体連出身でまだまだ荒削りな部分も多々ありますが、素材としては相当面白いと思います。青森山田は彼に注意が必要でしょう。
そして初戦を突破すれば、次なる相手は難関が予想されます。清水桜が丘vs高川学園、長崎総合科学大附属vs中京大中京の勝者と対戦しますが、一番警戒しなければならないのは長崎総合科学大附属でしょう。このチームは桁外れの攻撃力を持ち、高校ナンバーワンストライカーの安藤瑞季選手、ずば抜けた決定力を持つFW荒木駿太選手、『エース封じ』を得意とするマンマーカー・嶋中春児選手がいます。このチームが勝ち上がってきたら間違いなく相当な難関になると思います。ただ、この他のチームもなかなかの曲者。激戦区・静岡を勝ち上がった清水桜が丘は初出場となっていますが、前身は川口能活(現・相模原)ら多くのJリーガーを輩出し、全国制覇を何度も成し遂げている清水商業。FW白井海斗選手を擁し、非常に質の高いサッカーを展開します。
この難関を突破してもまだ難関は続きます。予想では流通経済大柏、関東第一、日章学園が勝ち上がってくると思われます。中でも流通経済大柏はインターハイ王者で、青森山田が3回戦で敗れた前橋育英を準決勝で下しています。来年の目玉選手であるCB関川郁万選手とFW熊澤和希選手の2年生コンビ、攻守の要のMF宮本優太選手、1年からレギュラーのMF菊地泰智選手など、タレント豊富。間違いなく優勝候補筆頭同士の潰し合いとなるでしょう。
(続く)
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安藤隆人(あんどう・たかひと)
1978年2月9日生まれ。岐阜県出身。5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに転身。
これまでに、『走り続ける才能たち 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、『高校サッカー心を揺さぶる11 の物語』(カンゼン)、『高校サッカー聖地物語』(講談社)、『星稜高校サッカー部優勝への軌跡―北陸のサッカーを全国へと導いた河崎護の30年』などの著書を発表。8月9日に『壁を越えろ 走り続ける才能たち』(実業之日本社)を発売。12月21 日に最新刊となる『15歳 サッカーで生きると誓った日(浦和レッズのMF梅崎司選手の壮絶な半生を綴った衝撃ノンフィクションストーリー)』(東邦出版)を発売!