大学サッカー通信
第9回 大学サッカー通信 ~ 山田武典(青森山田高校→青山学院大学4年)~
2017年10月31日
第9回 山田武典(青森山田高校→青山学院大学4年)やまだ たけのり
青森県七戸町出身。
トリアス七戸SCから七戸中学校、そして青森山田高校サッカー部に入部。2年生からスタメンに定着。3年生の時には、日本高校選抜に選出された。
青森ゴールVol.22/25/26/32にインタビュー掲載。
取材日 2017年9月4日(土)
2017年度 第41回 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント
2回戦 青山学院大学 対 大阪体育大学
取材:文 安藤隆人
かつて青森山田でキャプテンマークを巻き、チームを牽引した山田武典は、早くも大学サッカーでラストイヤーを迎えている。青山学院大学に進学し、攻守の要として君臨し続けた彼は、今年を大学サッカーだけでなく、自身のプレーヤー人生のラストイヤーと決意した。すでに某大手企業からの内定をもらい、そこに入社をして、社会人として新たな人生をスタートさせる。そんな彼が総理大臣杯に挑むも、2回戦で大阪体育大に2−3で敗れ、大会を後にした。敗れはしたものの、自慢の左足から放たれる精度の高いキックで攻撃をコントロールするなど、相手の脅威となり続けた彼に、今とこれからについて話を聞いた。
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―大学最後の総理大臣杯はいかがでしたか?山田(以下・山):これまではベスト8が最高で、それを越えるように頑張ったのですが、ダメでしたね。相手のFWのヘッドが強烈だったし、実力が足りなかったのかなと今は思います。これを活かして、リーグ後期頑張ります。
―なるほど、だからこそより今年の1年には期するものがあるんですね。山:青学を選んだことに一切の後悔は無くて、本当に楽しいサッカーを4年間やらせてもらっています。でも、プロを目指すというところを考えたら、青学で結果を出してプロに行きたかったという想いが正直あります。でもやるべきことをやってのこの結果なので、悔いは無いですね。
―青山学院大学でプレーをしてきて、ここまでの感想は?山:パスをテンポ良く繋いで、ドリブルで抜いたり、スルーパスを出したり、自分の中では楽しいサッカーをここでやることが出来ています。大学でこのサッカーをして多くのものを学ばせてもらいました。
―1部でプレーしたかった想いはありますか?山:そうですね、1部でプレーしている選手達を見ると「いいな」と思うことは何度もありました。環境も2部よりいいし、観に来るスカウトの数も違う。なるべくして社会人になるのかなと思います。
―最後の総理大臣杯の相手が後輩(菊池流帆)がいるチームというのはどういう想いがありますか?山:僕は青学を落ちたら、大阪体育大に行く予定だったんですよ(笑)。今日、負けた相手が大阪体育大で、青森山田の仲間がいる相手と出来たことは、凄く縁があるというか、面白いですね。それに菊池はやっぱり凄い奴でしたね。
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※菊池選手の記事は次回掲載予定です。
―菊池選手を見て何を思ったのですか?山:僕らの代のときはCチームだったので、「対人強いな、ヘッドは強いな」という印象こそありましたけど、あんなに試合の中で存在感を出していて、最後はキャプテンマークを巻いていたし、精神的にも相当信頼が置かれているんだなと思いましたね。そういう姿を見て、素直に嬉しかった半面、負けて悔しいところはあります。
―「成長したな」という先輩心があったんですね。山:ユニバーシアードで金メダルを獲った試合にスタメンで出ていて、凄いなと思ったし、青森山田時代にグラウンドで片足ジャンプばかりをやっていたんですよ。その姿をずっと見て来た僕としては、成長するってことは凄く難しいことだし、それを結果に出しているのは凄いことだなと思いましたね。
―試合後、何て声を掛けたのですか?山:まずは「ナイスプレー」ということを伝えて、きっとプロに行く選手でしょうから、「頑張れよ」と伝えました。
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―改めて青森山田での日々を振り返ってみてどうですか?山:楽しい思い出が多くて、黒田剛監督や正木昌宣コーチなどとずっとサッカーが出来たし、僕も最初からAチームの選手ではなかったので、上に上がって行く経験や自信が、今の自分に物凄く活きていると凄く感じます。改めて青森山田に行って良かったなと思います。それに先輩や後輩がどこに行ってもいる。日本代表には(柴崎)岳さんがいて、Jリーグには室屋(成)さんなどがいる。常に道しるべとなってくれる先輩達がどのカテゴリーにもいるので、高校サッカーの中で育成がしっかりと出来ている高校なんだなと大学に来て改めて思いました。
―残りの大学サッカーをどう過ごしたいですか?山:もうサッカー選手としては、大学から先は続けないと決めた以上、最後は気持ち良く終わりたいので、真摯にサッカーに向き合いたいと思います。人として成長出来たことも大学サッカーの良いところだと思うので、最後そういうところを試合に出して行けたら、悔いなくサッカーを終われるかなと思います。もちろんチームを1部に上げて終わりたいとも思います。
―最後に社会人になる自分にこれから活きて来ると思うことは何ですか?山:企業面接で評価をされたのは、高校、大学と一つのことに一生懸命取り組んで来たということと、高校でキャプテン、大学で副キャプテンと、リーダーシップを取る立場をやってきたこと。チームの先頭に立つ経験が凄く活きたと思います。
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