大学サッカー通信
第7回 大学サッカー通信 ~ 川口大翔(青森山田高校→仙台大学4年)~
2017年09月01日
第7回 川口大翔(青森山田高校→仙台大学4年)
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かわぐち ひろと
茨城県出身。鹿島アントラーズジュニアユースから青森山田高校サッカー部に入部。3年時には、八戸雄太(桐蔭横浜大4年)とCBでコンビを組み、DFラインを牽引した。
青森ゴールVol.26にインタビュー掲載。
取材日 2017年7月8日(土)
2017年度 第42回東北地区大学サッカーリーグ1部
第5節 八戸学院大学 対 仙台大学
昨年度は全勝でリーグ優勝し、今年度も、開幕から未だ負けなし。今や、総理大臣杯やインカレなど全国大会の常連校となった東北の雄・仙台大学。部員200人以上が所属する大所帯を束ねるのが、青森山田高校から仙台大学へ進学した川口大翔だ。腕にキャプテンマークを巻く姿は、高校時代と比べるとすっかり逞しくなった川口が語る、大学サッカーと高校サッカーの「違い」とは?「夢」とは?
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―高校サッカーと大学サッカーで違いを感じたのは、どのような部分ですか?
スピードだったり体つきだったり、全ての面で違いますけど、大学サッカーの方が頭を使っているのかなと感じます。高校サッカーは90分間行け行け って感じですけど、大学サッカーはそれだと厳しいので、行く時間があったり、うまくさぼる時間があったり。頭を使っているのが大学サッカーかなと感じています。
―東北はチーム数が少なく、リーグの期間が短いですが、マイナス面は感じていますか?
関東や関西に比べたら、リーグ自体の試合数もそうですし、レベルもあまり高くはないですけど、自分たちがテーマにしているのが「自分たちで高めること」。紅白戦からぬるい雰囲気で入ってしまうとそれだけのレベルになって、全国では通用しないというのをみんな分かっているので、自分たちで高め合うことを意識しています。当たり前なんですけど、うちはあまりできていなかったんですよね、入学当時は。そこから変えていかないと勝てないなと感じていたので、みんなに伝えるようにはしています。キャプテンをやらせてもらっているというのもありますし、今年は自分と同じように思っている選手が多いので、みんなで伝え合いながらやるようにしています。
―去年、総理大臣杯やインカレなど全国大会に出場していますが、どのような部分で全国との差を感じましたか?
技術面など全てですけど、自分がすごく感じたのは(総理大臣杯1回戦)早稲田大との試合で、私生活の差がすごく出たのかなって思っていて。ずっとうちのゲームだったんです。ポストに3本くらい当てて、相手はチャンスが1本くらいしかなかったのに、それを決められて負けました。試合後、帰りのバスが並んでいて、どっちがうちのバスか後ろから見たら分からなかったんです。片方のバスはカーテンが開けっぱなしで、片方はビシっと閉まっていたんですよ、ちゃんと椅子も直されていて。向こう(早稲田大)がきっちりしていて、うちができていなくて、そういう差なのかなって。私生活の部分とか、そういうところも神様は味方してくれなかったのかな、と。
―今年、キャプテンを務めていますが、チームをまとめる難しさはありますか?
そんなに難しさはないんですけど、鳴海(彰人=1年/青森山田)がすごいワガママって聞いているので(笑)だから、そこはちょっと面倒を見てあげています。今回も、嵯峨理久(1年/青森山田)と鳴海と一緒の車で来たんです。自分は(高校で)かぶっていないので、コミュニケーションをとったり、気にかけて見ています。現時点で一人辞めているので、それがないように。青森山田卒で仙台大に来た人で、それはないようにしたいなって思っています。高校サッカーで縛られていた分、大学は本当に自分次第なんですよ。理久とかにも「大学サッカーは、高校サッカーほどコーチや監督が面倒見てくれないから、腐るやつはすぐ腐っていくし、残るやつは残る。そこが極端に分かれるから、自分でコントロールしなきゃダメだよ」と話したので、今のところは大丈夫だと思います、理久も鳴海も。ちょっと危ういですけど(笑)
―川口選手は大学生になって、どのように律してきましたか?
今もなんですけど、自分は大学生らしくないんですよね、多分。まだ山田が抜けていなくて。よく、(青森山田サッカー部)黒田監督が「勝つことから逆算していったら・・・」とかそういう話をするじゃないですか。そういうのがまだ抜けていなくて、「遊びまくっていたら、チームは勝てるのかな?」と思ってしまう部分もあります。
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左:鳴海 彰人(1年) 中央:川口 大翔(4年) 右:嵯峨 理久(1年)
―鳴海選手や嵯峨選手などの後輩たちが2冠を達成しました。どのように見ましたか?
知らない代ですけど、正直、自分はけっこう悔しいです。嬉しいですけど、反面悔しい部分もあって、その分こっちでやらなきゃなって思ったので、いい刺激になったと思います。(青森山田卒の)みんなでピッチに立ちたいですね。去年は(菅原)啓祐と(丹代)爽弥(現ソニー仙台FC)と一緒に出られたので。理想は山田全員で出たいんですけど、今はとりあえずAチームにいるメンバーで出たいですね。
―青森山田で得たことは?
私生活が全部サッカーに繋がっているというのはすごく感じます。だらしないチームには負けてられないって思うし、逆に全国大会に出たら、関東の大学は(自分たちを)そういう風に見ているのかな?って思っていて。そういうところからうちは変えていかないと。今は1回戦、2回戦負けが続いていて、その上にはいけないのかなって思っているんですけど、そういう部分を理久はすごく感じていて、やろうとしてくれています。
―夢を聞かせて下さい。
正直、個人的な夢がないんです。とりあえず、目先の日本一を獲る!そしたらそこについてくるのかなって思っているので、チームの日本一が自分の夢、目標になるのかなと思います。
―チームの今年の目標は?
日本一です。まずは総理大臣杯、獲りたいです!
いよいよ本日(9月1日)から始まる、2017年度 第41回 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント。川口主将率いる仙台大学は、金沢星稜大学(北信越地区代表)と対戦です!
9月1日 15:30キックオフ
仙台大学 vs 金沢星稜大学 @ヤンマーフィールド長居
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