2種(高校生)
2月16日に行われたFUJI XEROX SUPER CUP 2019 NEXT GENERATION MATCH U-18Jリーグ選抜 vs 日本高校サッカー選抜
2019年02月17日
2月16日/FUJI XEROX SUPER CUP 2019 NEXT GENERATION MATCH
U-18Jリーグ選抜 1-1 日本高校サッカー選抜
取材・写真・文 安藤隆人
選手権優秀選手を軸に選出された日本高校サッカー選抜に、青森山田からはGK飯田雅浩、DF豊島基矢、MF武田英寿、天笠泰輝、バスケス・バイロン、FW佐々木銀士と最多の6人が選ばれた。
4月のデュッセルドルフ国際ユース大会をターゲットにしたこのチームは、ゼロックススーパーカップの前座試合として、U-18Jリーグ選抜と戦うネクストジェネレーションマッチに出場するため、2月13日に25名が集められた。最終的には18名に絞られるため、このU-18Jリーグ選抜戦は重要なアピールの場となった。
この試合、GK飯田、豊島が左サイドバック、武田が3ボランチの左、バイロンが2シャドーの左でスタメン出場。このチームの心臓となっていた天笠は、2日前の専修大との練習試合で負傷し、佐々木は前日の流通経済大戦で脳しんとうを起こし、この試合のベンチ入りはしなかった。
前半、日本高校選抜は相手のポゼッションの前にペースを握られ、11分にセットプレーから失点を喫するという苦しい展開となった。しかし、後半に入ると、一気に流れは日本高校選抜となった。この流れを引き寄せたのが、左サイドの『青森山田トリオ』だった。
「基矢さんのパスを入れるタイミング、駆け上がるタイミング、ボールの持ち方も分かるので、その部分ではパスを受けやすかったし、出しやすかった。バイロンも預ければ時間を作ってくれるし、突破をしてくれることは分かっているので、簡単に預けて自分が出て行くことを意識しました」
武田がこう語ったように、左サイドでトライアングルを形成した彼らは、素早い動き出しでお互いの特徴を引き出し合い、武田のパス、バイロンのドリブル、豊島のオーバーラップでチャンスを作り出した。
50分にはバイロン、武田と繋いで、オーバーラップした豊島にパスが通ると、豊島の突破がファールを誘発し、FKを獲得。武田の左足のキックから、FW宮崎純真(山梨学院)の惜しいヘッドが放たれた。
60分に宮崎に代わってFW染野唯月(尚志)が投入されると、染野のポストプレーを組み入れながら、左サイドを制圧。豊島は76分にベンチに下がったが、完全に攻撃のリズムを掴んだ日本高校選抜は、後半アディショナルタイム2分に左サイドを破った西川のシュートがDFに当たると、ゴール前にこぼれたボールにいち早く反応したのはバイロンだった。
「ゴール前に飛び込めばチャンスになると思っていた」という言葉通り、冷静にボールをゴールに押し込んで、価値ある同点弾。このゴールで試合は1−1のドロー決着となった。
「基矢とヒデとはずっとやって来たのでやりやすかった。コンディションも良かったので、持ち味を出せたと思います」
殊勲の選手となったバイロンは、得意のドリブルで何度もスタンドを沸かせていた。武田も落ち着いたボールさばきと左足のキックで起点となり、豊島も左サイドでアップダウンを繰り返し、攻撃のポイントとなった。飯田も1失点こそ喫したが、その後は安定したセーブと、キャプテンとしてチームを牽引。青森山田の4人はしっかりと最終メンバー入りに向けてのアピールが出来た。
一方で天笠は「絶大な信頼を置いている」と朝岡隆蔵監督(市立船橋)が語ったように、このチームの要であり、怪我が癒えればメンバー入りが確実。佐々木も練習試合で1トップとして積極起用されており、6人全員が最終メンバーに入る可能性もある。
彼らにとってアクシデントこそあったが、実り多き4日間になったことは間違いないだろう。