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2種(高校生)

高円宮杯U-18プレミアリーグEAST第20節 青森山田高校、ホーム最終戦を勝利で飾り優勝へ前進

2023年11月20日
高円宮杯U-18プレミアリーグEASTは残すところあと3節。11月19日(日)、首位に立つ青森山田高校はホーム最終戦で8位・前橋育英高校と対戦した。
ともに高校選手権への出場を決めている高体連の強豪チーム同士の対決。しかし正木昌宣監督は、これまで選手権県大会後のプレミアリーグは過去11試合でわずか3勝、勝率が20%台であるという具体的なデータを提示し、「高体連対決云々よりも、中断期間明けということ、それからこの1年間の集大成がいよいよだということにパワーに持っていこう、ということで準備してきた」という。
風上に立った青森山田は試合開始から怒涛の攻撃で前橋育英を圧倒。それでもなかなか相手ゴールをこじ開けられずにいたが、27分、MF10芝田玲のゴールで青森山田に待望の先制点が生まれる。

「走り込むことで自分にチャンスがくるかなと思いました。(福島)健太と(米谷)壮史がいましたが、二人ともスルーして自分が打てるコースを作ってくれたので、あの二人と(クロスを入れた小林)拓斗に本当に感謝しています。この1週間、選手権明けのプレミアリーグでは、まずは自分たちは人の声を聞くということをすごく大事にしてきたので、自分の『スルー』(という声)に対して二人が素直に反応してくれました。
自分でもこのホームラストというところでゴールを決めたいと思っていて、みんなにも言っていたので有言実行です。選手権前の市船戦で久々にゴールを決めて、選手権予選の準決勝決勝と2ゴールずつ決めていて、紅白戦でも点を取れている感覚が強かったので、今はゴールという部分に少し自信がついている感覚がありました。みんなの前で決めることができて良かったと思います」(芝田玲)
前半だけで8本のシュートを放ち、被シュート0。1-0で折り返すと、後半も青森山田のペースで試合が進む。54分には芝田のコーナーキックから、最後にゴールへ押し込んだのはFW11米谷壮史。リーグ得点ランキング2位の米谷はこれで通算15ゴール目となった。
試合終盤の88分、オウンゴールで失点し完封勝利こそ成らなかったが、青森山田はホーム最終戦を2-1の勝利で飾った。
この結果、残り2試合となった時点で2位川崎フロンターレU-18、3位尚志との勝点差は4となり、次節で青森山田が勝利すれば、1試合を残して青森山田のEAST優勝が決定する。
ホーム最終戦を勝利で終えて、青森山田を指揮する正木監督はこのように振り返った。
「このグラウンドで3年ないし6年頑張ってきた子たちの集大成ということで、本当に思い入れがありました。それが勝利という結果で終われたというのは本当に選手たちの頑張り、それから運営、応援してくれたメンバー、全員で掴んだ勝利かなという気がしています。
相手のメンバーが予想と違って、相手も慣れない部分が多かったと思うので、入りというのはひとつキーワードとして彼らにも伝えていました。その入りで点を取れたことというのが本当に大きかったかと思います。
県大会の決勝が終わってから久しぶりのゲームでしたが、今年の子たちは前のクオリティーには本当に自信があります。プレミアでもああいうサッカーができたというのはひとつプラスになるかなと思いますが、ただ、惜しいというシーンが多かった。選手権に向けてもプレミアのラストに向けても、これを決めきるかどうかというのは本当に重要になってくると思うので、その部分を次に向けて修正したいと思います」

次節、アウェイでの昌平高校戦に勝てば無条件で優勝が決まる。「できるだけ最後まで持ち込ませたくないので、次で決められるように本当にいい準備をしたい」と意気込みを語った正木監督。
「前期は5-1で勝っているということで、心のどこかでやはり油断や隙は生まれる状況になります。1試合負けても大丈夫という、その優位さが逆に隙になることも十分考えられるので、本当に今までよりも一番難しいゲームだというふうに置きながら、相手やプレッシャーに負けるのではなく、のびのびとやるところはのびのびやらせながら、締めるところはしっかり締めて、という形で考えています」
この試合でボランチに入ったのは、これまで左サイドバックを務めていたDF6菅澤凱。正木監督は「今日に関して言うと本当に想像していた以上のパフォーマンスを出してくれました。守備も攻撃も彼からいい配球があったので、今日は本当に、慣れないなかで頑張ってくれた彼に感謝したいと思います」と、その働きを高く評価した。
ここ青森市で生まれ育ち、中学1年生から6年間このグラウンドで成長してきたキャプテンのDF4山本虎は、「中1から入ってきて、プレミアリーグに出るという目標はずっとありました。小さい頃からの夢であったプレミアリーグのホームで最後は勝てたというところで、自分自身すごくうれしさを感じています」とホーム最終戦に勝利した喜びを口にした。

「前半追い風でチャンスを多く作れたなかで1点しか決められませんでしたが、守備がゼロでいけば勝てる試合だと思っていました。最後1失点してしまいましたが、本当に全員がチームのために戦ってくれた。もうちょっと点を取りたかった試合でしたが、まずは勝ち切れたことがすごくうれしかったです。
今日ハーフタイムにレイソルが尚志に勝っているという途中経過が入りましたが、自分たちは他の試合に関係なく、あと3試合勝つことだけ目標にやってきていました。
来週勝てば優勝ということで、自分たちにベクトルを向けて、本当に1週間いい準備をして、アウェイでしっかり勝って優勝したいと思います」
芝田玲が試合後まず口にしたのは、このグラウンドに寄せる思いだった。
「このグラウンドは、山中に最初からいた人は6年間、高校から来た人は3年間使ってきた思い出のグラウンドです。自分は中3から来たので4年間、このグラウンドで成長してきて、雪が降って真っ白なときも毎日このグラウンドで自分を鍛えていたました。そういう思い出のグラウンドでの最後の試合ということで、みんなが1年間応援してくれたという感謝を込めて、まずは絶対勝つというところは達成できたのでそこは良かったと思います」

ただ、勝利という結果に関しては「良かった」としながらも、決して満足はしていない。
「相手の主力が何枚もいないなかで2-1というのは正直、満足できるようなスコアと内容ではなかったので、自分のプレーももう一度見つめ直したいですし、チーム全体のプレーや連係、やるべきことを1週間再確認して、次の試合に臨みたいなと思います」

自力優勝がかかっている次節。昌平高校の下部組織であるFC LAVIDAから青森山田中に移ってきた芝田にとって、特別な思い入れのある一戦となる。
「自分が中学の頃約2年間お世話になったグラウンドに4年ぶりに戻るので、自分的には1年間で一番楽しみな試合です」
青森山田を選択したことが正解だったと証明するためにも、4年間で成長した姿を懐かしい人たちの前で披露し、優勝のトロフィーを掲げたい。その強い思いを胸に、芝田は全力で次節に挑む。
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サッカー部全員の想いが詰まったこのグラウンドでの、今季最後の公式戦。「試合に出られない選手もいる中で、この部員200名で勝てた試合かなと思います」と話した山本虎キャプテン。
勝利の後のグラウンドには歓喜の輪と高らかな歌声が広がった。
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