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最新号『AOMORIGOAL vol.50』の第一特集『第96回全国高校サッカー選手権大会』を紹介します!
2018年02月25日
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青森山田高校
3回戦で連覇への挑戦を終える
「昨年度の王者が早すぎる敗退」
「連覇の夢、叶わず」 各メディアが報じた青森山田敗戦の報は、いずれも ”王者として大会に挑んだ青森山田高校 “という図式をとったものだった。確かに彼らはその名に恥じず、王者にふさわしい風格をまとい大会に乗り込んだ。
プレミアリーグでは最終節まで優勝を争い( 最終的に首位に勝点3差の3位)、インターハイでは3回戦で敗れたものの、選手権優勝候補筆頭に数えられた東福岡高校を撃破するなど、力を見せつけた。
選手権も初戦で草津東を5ー0で一蹴。改めて全国トップレベルの実力を有していることを証明してみせた。
そして迎えた長崎総合科学大学附属高校との一戦。高校サッカー界の生きる伝説・小嶺忠敏監督は、青森山田に対して、チームの中心選手である郷家友太と中村駿太を徹底的にマンマークし、攻撃の核をつぶす策を用いた。
マンマークの徹底は単純で古典的な方法ではあるが、狙いが明確なだけにハマれば効果は大きい。事実、前半の郷家、中村両名は精彩を欠いた。攻撃の核を抑え込まれた青森山田は、逆に長崎総合科学のストライカー安藤瑞季に一瞬の隙を突かれて失点。結果的に前半は、老獪な名将の術中にしてやられた形となった。
試合を振り返った際に黒田剛監督は、「失点をゼロにするという目的があった中で、この試合は特に安藤選手を抑えなければいけませんでした。しかし、慌てなくてもいい場面で簡単に安藤選手に前を向かせて突破を許してしまった。ターンからのシュートはもちろん上手かったですけど、正直あれは悔やまれますね」と悔しさをにじませた。
「些細なことが勝敗を分ける」と口酸っぱく言ってきた堅牢な守備網が、大事な場面で隙を見せてしまったのは痛恨だった。
後半は打って変わって郷家、中村が躍動。相手の策を逆手にとり、マークを引き連れることでスペースを空けるフリーランを見せたほか、チャンスと見るや積極的にシュートを放つなど、何度も相手ゴールに迫りその存在感を発揮した。
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しかし、ゴールは遠かった。
堀脩大を中心に素早いパスワークでチャンスをうかがいつつ、時にはカウンターでなだれ込み、時には檀崎竜孔の強引な突破で揺さぶり、途中出場の三國ケネディエブスを使ってのパワープレーなど、多彩な攻撃パターンを披露した。そうして後半だけでシュートを9本放ち、決定的なチャンスを作り出したシーンも目立った。だが、そのシュートが枠を捉えることはなかった。
結果的に、一瞬の隙を突かれての敗戦。サッカーの怖さを改めて教えられた格好になった。
黒田監督は、「得点を取るチャンスは何回もありましたが、点は入りませんでした。決定力というか、その精度に関しては、昨年のチームと決定的に違う点なのかなと思います。後半に関しては自分たちのサッカーでチャンスは作れましたが、運がなかったのか、風が吹かなかったというか。まあこれもサッカー。不確定要素のスポーツですから。悔しいですね」と語り会場を後にした。
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新しい1年の始まり 今年のチームの立ち上がりは、決して楽なものではなかった。
(続く)
雑誌ではこの他にも、
『青森山田の戦い』
連覇を目標にして戦った青森山田。想像を超えるプレッシャーを背負いながら戦いに挑んだがベスト16で敗退。涙で去った今大会を写真で振り返る。
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『名将・黒田剛監督』昨年、22年目の挑戦で掴んだ日本一。さらなる高み「連覇」を目指して戦った。
『最後の冬に懸けた想い』出場選手17名が今大会を振り返る。
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