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2月25日発売の最新号「AOMORI GOAL VOL.62」の連載「Writer's Column」。今回は土屋雅史氏に書いて頂きました。その記事を少しだけ紹介!
2020年03月10日
第5回目となる今回は、J リーグ中継担当プロデューサー、WORLD SOCCER NEWS『Foot !』などサッカーに精通し、ユース年代の試合も数多く見てきた土屋雅史氏に書いて頂きました。
【青森山田を貫く伝統の息吹。それは比類なき「覚悟」の連鎖】
その積み上げられた伝統は“ 覚悟”と言い換えられるかもしれない。「先輩たちが築き上げてきた歴史を自分たちの代で壊す訳にはいかないし、青森山田のエンブレムを背負っているからには、戦う覚悟は全員が持っていると思います」。普段は温和な後藤健太の口から力強いフレーズが零れ落ちるあたりに、その徹底された意志を窺い知る。青森山田を貫く伝統は比類なき“覚悟”の連鎖だと、改めて彼らから教えてもらえたことは、私にとっても大きな財産として心に携えておきたいと強く思っている。
2019 年度のレギュラーを務めてきた選手の中に、青森県出身の選手は藤原優大しかいない。東京。神奈川。埼玉。千葉。静岡。宮城。北海道。全国各地から集う精鋭。武田英寿や松木玖生のように中等部からの6 年間を、あるいは高校の3年間をサッカーに捧げる決意を胸に、雪深き本州最北端の地へと身を投じた者ばかりだ。
チームを率いる黒田剛監督は、今回の選手権準決勝の記者会見で次のように話している。
「『もう2度と一緒に住めないんだな』と、家族もみんなそういう想いでいると思うんですけど、その時に子供を手放していく親の心境というのは、本当に計り知れないくらいの覚悟が必要だと思いますし、自分の人生を懸けて青森山田を選んでくれた覚悟と勇気に敬意を表したいです」。
ゆえに中途半端な志の選手が “11人”に選ばれることはない。極限まで『自分たちは青森山田である』という矜持と覚悟を突き詰めた者だけが、トップチームの選手として緑のユニフォームへ袖を通すことを許される。
(続く)
誌面では、写真と記事全文を掲載していますので、ぜひご覧ください!