1種(社会人)
JFLラインメール青森、大一番で逆転勝利<JFL第28節>
2023年11月14日
11月12日(日)、ラインメール青森はホームの新青森県総合運動公園球技場にソニー仙台FCを迎え、JFL第28節を戦った。
第22、23節で連勝したものの、その後3戦白星から遠ざかり5位にとどまっているラインメール。
「上位であるHondaに引き分けて、そのあと2連敗と失速をしてしまいました。内容的には決して悪かった2試合ではないと思うのですが、点を取らないと勝てないという焦りみたいなところは選手たちに非常に見られたかなという2試合で、勝たなければいけない、点を取らなければいけないというプレッシャーは相当あったんじゃないかということはゲームを見ても感じました。ただ一方で、決して内容は悪くないので、毎日のトレーニングをポジティブな雰囲気でやっていこうというのが2連敗の後のこの1週間のトレーニングでした」(柴田峡監督)
今季のJFLは前日の時点でHonda FCの優勝が決定。J3昇格への可能性をつなげるためには2位に入らなければならない。残り3試合、1試合でも落とせばその可能性が消えるラインメールにとって、2位ソニー仙台との一戦は絶対に負けられない大一番だった。
前半13分に先制を許したラインメールだったが、その2分後、FW10船山貴之のコーナーキックを強烈なシュートでゴールに叩き込んだのはFW8山口和樹。
これで試合を振り出しに戻すと、35分にPKのチャンスを得たラインメール。キッカーは船山。
船山は冷静に右足を振り抜き、これを決めて逆転に成功。
「PKは当たり前のように決めないといけない仕事だと思っています。開幕戦では外しましたが、それからはちゃんと練習しているので自信はありました。
俺の点というより、みんなで取っている点。数字的には俺の名前が残るだけであって、チームで取った点です」(船山)
2-1で折り返すと、後半開始直後の46分。FW22齋藤来飛のクロスに合わせ、滑り込みながらMF24青木義孝が放ったシュートがゴールネットを揺らす。
すぐさまゴール裏へと駆け寄った青木はサポーターたちと喜びを分かち合った。
後半はソニー仙台の2本を大きく上回る8本のシュートを放ち、2点のリードを得ても守りに入るのではなく果敢に攻め続ける姿勢を見せたラインメール。追加点こそならなかったが3-1で勝利し、昇格への望みをつなぐ貴重な勝点3を得て4位に浮上した。
この試合に向かう選手たちを送り出すにあたり、「我々はまだ死んでいないぞ、ということをピッチでしっかりと証明しよう」と話したという柴田監督。
「今日勝ったことでまたもう1週延命することができたので、次にうちが勝って他のチームの如何によっては何かが起こるかもしれない。それを1試合でも先延ばしにしていくことで我々の可能性も広がってくると。3連勝よりも目の前の一つひとつを全力で取り組んでいこうというところで切り替えて、選手は非常によく頑張ってくれました。
グラウンドもスリッピーだったので、ソニー仙台さんの得意なボールを動かしていくという起点が作りにくく、仙台にとっては少し条件としてはやりにくかったのではないかなとはやりながら感じていました。
次の2試合、しっかりと勝てるように、またいい準備をしていきたいと思います」
アウェイでの前節から気温は20度も下がり、寒さの中、雨水をたっぷり含んだピッチでの試合。船山貴之は「逆にバッドコンディションだったから割り切ってできたということも、今の自分たちには大きかったのかなと思います。いいピッチよりもこういうバッドなほうが、泥臭くいけるのかなと思いました」と振り返った。
チームにとって複数得点は第22節以来となる。終始攻撃的に試合を進めることができた理由について、セカンドボールを拾えていたこと、ディフェンスラインの押し上げがあったことを挙げた船山。「複数得点が少ないチームなので、3点取れたことは大きい収穫です。あと2試合しかないので、相手より1点でも多く終えたいと思っています」と話した。
第16節以来の先発出場となった齋藤来飛が前線で躍動し1アシスト。
柴田監督は「彼は類い稀なるサッカーセンスを持っている。高さはないですが、ボールをおさめるというところでは十分に期待に応えてくれましたし、カウンターの起点にもなれました。本当に期待以上の出来だったかなと思います」と、その働きを高く評価した。
実に13試合ぶりの黒星となったソニー仙台。
青森山田高校出身のFW6瀬尾純基は67分から途中出場を果たした。
ゴール裏へ挨拶に来た選手たちをサポーターが勝利の歌で迎える。阿波踊りが有名な徳島県出身のDF13丸岡悟が踊りだし、みんな笑顔に。
残り2試合、2位ソニー仙台との勝点差は4。2戦全勝したとしても相手が1勝でもすればラインメールは3位以下が確定となる。
ホーム最終戦となる次節。ホームの熱い応援が後押しとなって勝利を手にし、昇格へ望みをつなぐことができるか。
第29節 11月19日(日)13:00~ @新青森県総合運動公園球技場
vs 東京武蔵野ユナイテッド
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