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2月25日に発売した最新号「AOMORI GOAL VOL.80」。青森山田高校が挑んだ高校選手権から多久島良紀選手の記事を少しだけ紹介!
2023年03月07日
No.5 DF
多久島 良紀
埼玉県出身 前所属:大宮アルディージャU15
2004年6月30日生まれ 179cm / 78kg
1年生から選手権を経験した期待の新星。困難を乗り越え、
主将として名門校の重責を担った
青森山田での3年間を、一言で言えば「きつかった」と振り返った多久島良紀。コロナ禍で、親元を離れて寮生活を送ってきた高校生にとっては、肉体的にも精神的にも厳しい3年間であっただろう。
夢と希望を持って入学してきた翌月。青森県では緊急事態宣言が発令され、サッカーはおろか、グラウンドに出ることすら許されない日々が続いた。ようやく練習が再開されるも、3大タイトルの一つであるプレミアリーグは開催中止が決定。しかし、東北のチームで競うスーパープリンスリーグが開催される運びとなり、試合ができる喜びを噛み締め、1年生ながらピッチに立った。この冬、全国高校サッカー選手権大会での出場機会も経た。
2年生になり、着実にキャリアを重ねていくも、シーズンも佳境を迎えつつあった11月、前十字靭帯を損傷する大怪我を負ってしまう。全国高校サッカー選手権大会への欠場はもちろん、復帰できるのは数か月後。チームが3冠や優勝の歓喜に湧く中、嬉しさと悔しさがこみあげた。「自分はあの舞台に立つことができなかった」。
最高学年となり、チームを率いるキャプテンとなった。しかし、怪我による長期離脱のため、ピッチに立つことはできない状態だった。春の遠征にも帯同できず、「チームを作る大切な大会なのに、キャプテンがいないというのは情けない気持ちもありました」。プレミアリーグでチームが5連敗した時も「プレーで引っ張ることができずに、すごくもどかしい気持ちでした。お前は試合に出てないじゃないかよ!という不満はみんなにあったと思います。だけど、それを許してくれたみんなに感謝したいと思います」。
6月に行われた高校総体東北大会で復帰するも、8月に骨折し、再びの戦線離脱。「みんなはサッカーをしているのに、自分はできない。一人で何をしているのだろう」―。落ち込み、孤独を感じることもあった。しかし、その孤独さえもプラスに捉えられるようになった。「みんながサッカーをやっている間、リハビリなど努力をして、みんなより遅れている部分を減らしていこう」。試合に出られなくても、ミーティングに参加することで、自分がチームのキャプテンとして、しっかりとチームに入ることを意識し、不安を解消してきた。
(続く)