大学サッカー通信
第26回 大学サッカー通信 ~三國スティビアエブス(青森山田高校→順天堂大学3年)
2019年06月19日
第26回 三國スティビアエブス(青森山田高校→順天堂大学3年)みくに すてぃびあえぶす
東京都出身。青森山田中・高出身。青森山田高校3年時、同校初となる高円宮杯 JFA U-18プレミアリーグ制覇に貢献。2016年度全国高校サッカー選手権大会で優勝し、2冠を達成した。2017年日本高校選抜。
青森ゴールVOL.38、40、44に掲載。
取材日 2019年4月28日(日)
JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦
第3節 順天堂大学vs法政大学@味の素フィールド西が丘
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大学入学直後からレギュラーの座を掴んだ三國。順風満帆に見える大学サッカー生活だが、本人は全く納得していなかった。高校を卒業してからの2年間と、これからについて語る―
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青森山田中・高で6年間を過ごした三國が、次なる場所に選んだのは順天堂大学だった。「順大は、パス回しやボールを保持する時間が長いチーム。それが自分たちの代の山田と少し似ている部分がありました。自分に足りない”頭を使ってサッカーをする”ことができる。そこを磨きたいと思いました」
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三國曰く、「競争が激しい」という関東大学サッカーリーグにおいて、1部を戦いの場としている順天堂大学。1年生からスタメン出場し、傍から見ると順風満帆に見える大学サッカー生活だが、本人は全く納得していない。「1年生から試合に関わらせてもらってはいますが、チームに貢献できているかと言われたら、そうでもないんじゃないかと思っていて…。試合に出ても、あまり結果を残せていない」と胸の内を明かしてくれたが、今季の開幕から2試合スタメン出場を果たしていた三國は、取材日であった第3節と翌節は、サブ組に回った。高校時代はSBを定位置としていたが、大学生になってからは、CBやFW、そして現在のSHなど、様々なポジションをこなしてきた。「本職ではないポジションで、どう自分のプレーを良くしていくかというのを考えてはいるんですけど、考えが甘いのかなというのは常に思っています。でも、プロを目指しているので、プロでポジションが1個しかできないとなったらすぐにはじかれると思うし、試合に出ている分、もっと磨いていかないといけない」と自身の課題を冷静に分析している。
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「高校サッカーと大学サッカーの違いは、球際の激しさですかね。高校の時は、ボールをもらって自分で勝負するという意識が強かったですが、大学に入ってからはプレスのスピードも速いし、スライドのスピードも全然違います」
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順調に見えるこれまでの2年間だが、「自分が思っていることと監督が思っていることが違っていて、そこで求められることがけっこう多かった。そこに対してどう変えていけばいいのかと悩みました。青森山田で高いレベルでやってきたことは財産ですが、(青森山田高校の)黒田監督に求められたことと、大学の監督に求められることは違うので」と悩みながらも、「周りの人たちが本当に優しくて、自分が1年生の時の4年生とか、気持ちよくプレーさせてくれて、サッカーをやりやすかったのかなっていうのはあります」と言う。
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今春、青森山田高校を卒業し、J2・アビスパ福岡で活躍する三國の弟・三國ケネディエブスは、高校3年時「兄弟で全国優勝を果たしたい」と言っていたが、見事に有言実行し、兄弟で全国高校サッカー選手権大会で優勝を果たすという快挙を成し遂げた。そんな弟や後輩たちの活躍は刺激になっていると言い「弟の試合は、毎試合ではないですけど見られる試合は見ています。自分も早くあのピッチに立ちたいです」と、プロの世界を見据えている。「これからの2年間で必ず定位置を掴むことと、プロになるために何が必要かを必死で考えて、そこに向かって努力することがプロへの一番の近道だと思うので、ぶらさずに頑張りたいです」とはっきりと宣言してくれた。
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この取材日を含めた2節はサブに甘んじたものの、その後はまたスタメン復帰を果たした三國。弟と同じピッチに立つその日を期待したい。
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