大学サッカー通信
第27回 大学サッカー通信 ~近藤瑛佑(青森山田高校→桐蔭横浜大学4年)
2019年07月15日
第27回 近藤瑛佑(青森山田高校→桐蔭横浜大学4年)こんどう えいすけ
千葉県出身。青森山田高校3年時、常田克人(ベガルタ仙台/J1)とともにCBを組み、「ツインタワー」と呼ばれる。高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグEASTでは、当時としては最高位である準優勝となる。全国高校サッカー選手権大会ではベスト4入りを果たした。
青森ゴールVOL.34、38に掲載。
取材日 2019年4月29日(月)@桐蔭学園多目的グラウンド
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「今はすごく楽しくサッカーができています」と充実した日々を語った近藤だが、その笑顔の裏には苦悩もあった。果たして、どのような大学サッカー生活を送ってきたのか――。その素顔に迫る。
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青森山田高校を卒業し、桐蔭横浜大学への入学を決めた近藤。「八戸雄太くん(Honda FC/JFL)や田中雄大くん(SC相模原/J3)など、尊敬できる青森山田の先輩たちが大学で試合に出てみんな活躍していました。その活躍が僕のところにも聞こえてきていて、たまたまここに行くチャンスをもらえたので」と、先輩たちの活躍が入学を決めた大きな理由だったと語ってくれた。
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1998年、風間八宏氏(現名古屋グランパスエイト監督)が監督に就任し、本格的に活動を始めた桐蔭横浜大学サッカー部。神奈川県リーグを経て、2013年に関東大学サッカーリーグ1部に参戦すると、降格することなく関東1部の舞台で戦い続けている。「まだ歴史は浅いですけど、歴史がある大学が2部に降格している中で、1部に居続けるのはすごいことだと思います」
関東1部のメンバー登録はされているものの、試合出場のチャンスを掴めていない近藤。「ここで成長できているとは思いますが、試合に出たい気持ちが相当強いので、いつも悔しい思いをしています。自分はスタメンを目指したいです」と悔しい気持ちを覗かせつつも、「今はとにかく練習が楽しみ。ワクワクしています」と、大学サッカー生活は充実しているようだ。
そんなチームの良さは、「みんなが真面目」とのこと。「みんな、青森山田の時に匹敵するくらい意識が高いです。(イサカ)ゼイン(J1・川崎フロンターレ内定)もすごく真面目。みんな真面目でストイック。プロになるために覚悟を持ってやってるんだって思いました。みんな、チームでやりつつ自分がプロになることに一生懸命なので、それを見て自分も負けられないって思えました」
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「サッカー面で大学生になって驚いたことは、選手たちの技術の高さ! もっとやっておかなきゃいけなかったと思って、そこで一番悩みました。大学リーグで試合に出るためには、ましてプロに行くためには、技術を上げないといけないと痛感しました」
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「青森山田で学んで活きていることは礼儀や挨拶。就職活動やアルバイトをしていて、チームの仕事をストレスなく当たり前のようにできること、それが知らないうちに身についていて良かったなと思っています。監督は、アルバイトは良い社会勉強だから、アルバイトも頑張って欲しいと言ってくれています。自分もアルバイトをしていますが、本当に良い社会勉強だと思っています」
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「大学サッカーで頑張って常田に追いつきたい」
これは、高校卒業時に近藤が弊誌のアンケートに書いた言葉である。青森山田高校時代、常田克人(ベガルタ仙台/J1)と近藤はCBを組み、「ツインタワー」と呼ばれていた。プロサッカー選手を目指し、決意を持って大学に入学した近藤。3年まではプロを目指していたというが、卒業後はサッカーを続けるかどうか悩んでいるという。「1年の頃から、気持ちの面でずっと課題を持っていました。自分は逆境に強いタイプではないし、そういうところが自分の弱さ」。プロのチームや社会人チームと試合を通じて感じた気迫。そこが自分には欠けていたのだと分かった。大学生になって、プロの世界がどれだけきついかイメージできるようになった。自分は覚悟が持てるだろうかと自問自答する日々。サッカーは楽しくとも、今、まさに悩み続けている。
今年は大学サッカーラストイヤー。
「この桐蔭のグラウンドと週末のピッチで100%でやって、最後の自分の思いをぶつけたいです」
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