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大学サッカー通信

第28回 大学サッカー通信 ~二階堂正哉(青森山田高校→新潟医療福祉大学1年)~

2019年07月19日
第28回 二階堂正哉(青森山田高校→新潟医療福祉大学1年)





にかいどう せいや
宮城県出身。ACクレックから青森山田中に進学すると3年時には全国中学校サッカー大会で優勝。高校に進学すると、3年時に全国高校サッカー選手権大会でも優勝を果たす。ポジションはセンターバックで、177㎝と上背はないが、鋭い読み、安定した守備に定評がある。





青森ゴールVOL.35、36、51、55、56に掲載。

取材日 2019年7月14日(日)@聖籠スポーツセンターEピッチ

取材/文:安藤隆人



 北信越大学リーグ1部・第6節で天王山の一戦が行われた。首位・新潟医療福祉大と2位・北陸大の一戦。共に負けなしで迎えた直接対決は、新潟医療福祉大にとって非常に苦しい試合になった。





 中でも1年生CB二階堂正哉は北陸大の屈強な大型ストライカー・長島グローリー(清明学院高出身)とマッチアップしつつ、その後方にいる小柄なテクニシャンの東出壮太(津工業高出身)をケアしないといけないという重要なタスクを与えられていた。
 長島は190cmの長身と屈強なフィジカルを誇る一方で、二階堂は177cmと体格差がかなりある中で、立ち上がりから鋭い寄せを見せて、自由を与えなかった。
 チームも開始早々にFW有田朱里(市立船橋高出身)が幸先よく先制点を挙げるが、後半に入ると徐々に長島にボールが収まるようになり、徐々に押し込まれ始める。
 60分、二階堂は一瞬の隙を突かれた。少し長島のマークを離した隙に、縦パスからペナルティーエリア内左にスピードに乗って抜け出された。二階堂は慌ててスプリントしながら戻り、ボールを蹴るモーションに入った長島に追いついてタックルを仕掛けるが、長島のクロスは滑り込んだ足の間を通り抜けて、ゴール前に詰めていた途中出場のFW矢島芽吹(日大藤沢高)に押し込まれ、同点弾を許してしまった。





 さらにその後、左サイドバックの沼田皇海(尚志高出身)がこの日2枚目のイエローカードで退場し、さらに苦しい状況に追い込まれると、80分にはMF高橋大樹(カターレ富山U-18出身)に痛恨の逆転弾を浴びてしまった。
 だが、直後の83分に猛攻を仕掛けた新潟医療福祉大は、混戦から途中出場のFW小森飛絢(富山第一高出身)が押し込んで、2−2の同点に追いついたことで、再び息を吹き返した。二階堂もその後は長島のマークを徹底し、これ以上失点を許すことはなく、試合も2−2の同点決着。首位を明け渡すことはなかった。

「相手(長島)がワンタッチで蹴って来るとは思っていたけど、股のところを意識していなくて…。あそこで滑り込まずにもっと寄せて、あのまま外に押し出せる守備が出来ていたら…。本当に悔しいです」





 試合後、二階堂は自分が絡んだ失点シーンを悔やんだ。長島と東出とのマッチアップに関しては、「長島選手とは身長差がある中で、やることは分かったけど、やられるところもあった。東出選手に対しても仕事をさせたくなかったし、正直やることが多くてとても難しい試合でした。それでももっとポジショニングから意識をしていないと厳しい。先にいいポジションに入って奪うことをもっとしたかったし、僕としては完封したかった。課題が多い試合でした。10人になってからは失点しないことを意識したが、もっと周りを動かしてやりたかった」と、プレー全体にも反省しきりだった。

 彼はまだ1年生。新潟医療福祉大と言えば、かつて桐光学園高で中村俊輔ら多くのJリーガーを育て上げた名将・佐熊裕和監督が2014年に就任以来、めきめきと力をつけてきた新興勢力。名将の目にかかった全国各地の優秀な選手たちが年々入学するようになり、今では全国屈指の強豪校、強豪Jユースからも主軸の選手が集まってくる強豪大学となっている。
 二階堂もまさにその1人で、青森山田中、高校で6年間を過ごし、昨年度選手権優勝メンバーの看板を引っさげて入学すると、1年生ながらCBのレギュラーを掴んでいる期待の存在だ。

 青森山田時代と同じように激しいチーム内競争の中でピッチに立つ権利を掴んでいるだけに、1年生だからという甘えは一切ない。

 「青森から新潟のこの大学に強い覚悟を持ってきたので、ここで成功できるようにやるしかないと思っています。もし、大学卒業後にプロにいけないとしたら、本気でサッカーに打ち込める最後の4年間になる。プロになりたいですし、同級生のケネ(三國ケネディエブス)や(檀崎)竜孔はすでにJリーグで試合に絡んでいるので、絶対に負けたくない。ステージは違っても、この大学はそこにたどり着くことができるだけの時間も環境も整っているので、そこは妥協しないでやっていきたい」





 三國も檀崎も青森山田中から高校まで6年間一緒にプレーし続けた親友。共に選手権優勝を経験したかけがえのない仲間は、すでにアビスパ福岡とコンサドーレ札幌でJリーグの試合に出場している。





 この2人に比べれば、自分は大きく出遅れている-。
二階堂は『まだ4年間ある』ではなく、『もう4年間しかない』という気持ちで大学サッカーに真摯に向き合っている。











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